赤色に染まる白の君《2》 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:7,066 hit

❤笑いあうのが1番さ！ページ3

ジャックside

昼ご飯食べ終わってからエースの部屋に集まって、トランプタワーを始めて数時間……

「後少し！後少しだよジャック！」
『これ崩したら最悪だぞジャック……！』
「分かってるって……！」

なんと、トランプタワー完成一歩手前まで行きました拍手ー！と行きたいところなんだけど、最後の山を作るのが難しいんだよね〜！
震える手を少しでも落ち着かせる為に深呼吸して、ゆっくりと最後の2枚を乗せていく。今回のタワーは山札2個分の大きさだから、それなりに大きい。その頂点ともなれば完成した時の達成感も半端無いだろうね。
そっと、乗せる時の力加減を間違えないように気をつけながら最後の山を乗せる。僅かにカード同士の均衡が取れずに何度も頂点がズレて落ちそうになるのを慌てずに調整してやれば、しっかりと噛み合って山のてっぺんに乗った。

「………………」

手を離して、数歩下がる。タワーは風に揺らされることも無くしっかりと立ってる。それを見て数秒後、

「「『やったー！！！！』」」

僕達は同時に勝利の声を上げた！
やったー！初めて山札二個分のタワーを作ったよ！もう何時間かかったか……！

「土台作るだけでも大変だったのに…！よくやったぞ親友〜！」
「いやぁ〜すっごい達成感！僕もこんなに心踊ったのは初めてだよ！」
『いやほんと、ジャックが手先器用で良かった……慣れてなかったらもっと時間かかったよ……』

苦戦してきた時間が懐かしいよ〜！さ、後はこれを写真に収めて…………

「みなさーん、おやつの林檎のコンポートが出来ましたよー」

突然の来訪。林檎によって開けられたドアによる気圧の変動で、トランプタワーは風に煽られてバラバラッと散った。

「「『あー！！！！！！』」」
「え、何だどうし「お前ー！！！何してくれてんだー！！」「僕達のタワーがー！！！！」『林檎……林檎お前ぇ…………』

ノックぐらいしろよ！というか無遠慮に開けるなよ！！おかげでタワーが散ったじゃないかー！！！
バラバラに散ったトランプを拾って泣く親友と落ち込むエースを背に、僕はなーんにも分かってない毒林檎に事情を説明した。ほんと事の重大さを思い知って欲しいよ！！

「………その、それは、すまなかった」
『……これは後でアップルも一緒に再戦だな……』
「え」
「そうだぞ林檎ー！お前も僕達とタワー作れー！」
「は」
「はい決まり！さっさとおやつ食べてやるぞー！」
「『おー！』」

また立派なの作ってやるんだからなー！