影法師に閉じ込めて・弐 (ページ14)

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陸拾弐＊訓練、じゃなくて悪戯ページ14

実side

数日後…

今まで通りの生活に戻ったある日、俺は釘崎と恵、虎杖の三人に呼び出されていた。まぁ、いつものメンツだな。
でも、何かちょっと……

「「「……」」」

顔が険しい気がするんだが…

『あ、あの…俺何かしたか…？』
「別に、何もしてないわよ」
「うん」
「そうだな」
『じゃあ何で俺責められてる感じになってるんだ…？』

今居る場所は珍しく釘崎の部屋だ。机を挟んで釘崎を中心に三人が並んで座っており、俺は反対の席に正座して座っている。傍から見れば叱られている図にしか見えない。

「アンタの目の術式についてなんだけど」
『…？』

何だ…？ま、まさか恵から色々聞いた末に、もう使うなと言うお達しが…

「その目、あのぐーたら教師に使えないかしら」
『……はい？』

今なんと…？

「アンタの目の術式ってさ、本来は他のヤツの意識とかそういうの操作するんでしょ？」
『だ、誰からそれを…「伏黒」お前…っ』

むふーっとドヤ顔するな…っ！可愛いけど…

「で、それをあのセンコーに使えばシースー食べ放題じゃないかって話になって…」
『え』
「それに五条先生がその手の術式にかかるかどうかも気になるし」
『ちょっ』
「あと普通にいつも迷惑してるから一泡吹かせたい」
『かなり私欲と私怨が混じってるようにしか聞こえないんだが』

つまり、俺の目を使って五条先生にどんな影響が出るのか見たいと……、……うーん…

『(無理だと思うけどな…)』

最強と言うだけあって、日頃から隙がない人だ。そんな人に俺の未熟な術式がかかるかどうか…

「物は試しよ！それにアンタだって特訓になるじゃない！」
『そう言われると否定できないんだが…』
「じゃあ決まりね！ほら、早速行くわよ！」
『別に良いとも言ってないけどな…！？』

釘崎の行動力凄くないか…！？

「まぁ、俺も無理だと思ってるから…ちょっとだけ付き合ってやれよ」

意気揚々と歩く釘崎に聞こえない程度の音量で恵がボソッと耳打ちしてきた。…まぁ、そうだよな。じゃあ少しだけなら…

『…やるしかないよなぁ…』

釘崎の期待を裏切ったら、後が怖そうだ。