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本当の自分で居られる人は、本当に少ない ページ49

山崎side

「よしっ、それじゃあ行くぞ!」

数日後、俺達はまた源外さんの処に来ていた。
副隊長の怪我も治り、もう万全になった状態で機械に入ったんだ。

結果は……



「も、戻った…!!」

うん、これは完全に…俺の身体だーっ!!
良かった!もうあの顔面偏差値の高い身体ともおさらばだよ!ミントン出来るよ!!

「良かったなぁお前さん。それにもう一人の方も、漸く自分を見つけられたようだな」

あ、そうだ。副隊長…!俺はちゃんと戻れたけど、副隊長も…
副隊長が入った機械の方に目を向ける。煙の中から、ゆらりと煙を裂いて出てきたのは…


『…』


俺が知ってる、副隊長では無かった。

黒髪を前分けにした、真っ赤な瞳の男性が立っていた。でも、それだけじゃ驚かない。
そう、その人は…

「副、長…?」

俺達の副長に、よく似ていた。

『…俺でィ、山崎。土方さんじゃねぇよ』

沖田隊長と同じ声が俺の名前を呼んだ。副隊長は少し恥ずかしげに笑って、自分の手を握ったり開いたりする。

『…元の姿に戻っちまうたァ、ちょいと計算外だったな。見られたくなかったんだが…』
「それが沖田君の"本来の姿"だろうが。良かったじゃねぇか、ずっと忘れてたんだろう?」

カラクリの旦那の言葉に、副隊長ははにかむ。俺はそんな副隊長の前に行って、手を取った。

「行きましょう。その姿で。…大丈夫です、皆…ちゃんと副隊長を歓迎してくれます」

だって、俺達の副隊長なんですから。

『…嗚呼、帰るか。じーさん、世話になったな。当分は捕まえねぇでおいてやらァ』
「そりゃありがてぇな。元気でやれよ?真似っ子」
『へィへーィ』

適当な返事を返して、副隊長は俺と一緒に外に出る。
背丈が高くなったその顔を見上げれば、少し安堵の混じった笑みを浮かべていた。

「(ちょっと、ホッとしてる…?)」

それもそうか。今まで沖田隊長の姿借りて過ごしてたから…本来の姿見せた時に怯えられないか、不安だったのかな…

『山崎』
「は、はいっ!」

びっくりした…いきなり名前呼ばれたから…

『…あの時、愚痴聞いてくれてありがとな』
「え…」

副隊長の言葉に、俺は少しだけ固まった。そのまま屯所に入っていく副隊長の背中を、じっと見つめる。

「…お礼を言うのは、こっちですよ」

お蔭で、アンタにより一層信頼置けるようになりました。気づかせてくれたのは、アンタですよ。
その言葉はちょっと恥ずかしかったから、心の中に仕舞って屯所へと戻った。

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設定タグ:銀魂 , 男主 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年5月24日 2時

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