何処かで見た事あるヤツだコレ ページ35
総鬼side
天気のいい日、相変わらずの見廻り。俺ァ山崎と一緒に町の中を歩いていた。
何で山崎と居るか?総悟が寝坊したからでィ。あの野郎は一発殴る。
「こうして副隊長と肩並べて歩くのなんて、何だか新鮮ですね…!」
『まァ何時もは総悟が隣に居るからなァ…。アイツ、隣に来るなとばかりにプレッシャー放つし』
「あ、やっぱりお気づきになってたんですね…」
そりゃあ、隣から威圧感感じりゃあ分かるだろィ。それにアイツ、ちょっとでも他の奴が隣に来たら凄ぇ睨むし…
『アイツは過保護だ』
「それだけ副隊長が好きなんですよ。ちゃんと分かってあげて下さい」
「行き過ぎてる時は怒るのも手ですよ…!」と親指を立てる山崎。
山崎だけは俺と総悟の関係を知ってるから、心置き無く話せるし気が楽でィ。
『へィへーィ、母ちゃんの言う通りにしやーす』
「いや母ちゃんじゃありませんから!産んだ覚えも無いし、そもそも俺は男です!」
お、ナイスツッコミ。反応良いな。山崎をからかいながら歩くのは楽しいや。
人で賑わう道を歩き、交差点に出る。一応辺りを見渡して道路を渡った時、それは聞こえた。
微かに聞こえる、タイヤが擦れる音。
『何でィ、この音は』
「?音?何か聞こえたんですか?」
山崎が訝しげに首を傾げる。俺は耳を澄ませてその音の出処を探った。
それが、拙かった。
「…おい、返事しろ!おいっ!!」
身体を揺すられて目が覚める。頭が痛ェ…つーか、身体が痛ェ…っ
「良かった…気が付いたか」
俺を起こしたのは真選組の奴だった。知った顔だな…確か、一番隊の奴だ。
「驚いたぞ…。沖田副隊長と歩いているのを見つけたら、トラックが突っ込んで二人共轢かれたもんだから…」
…轢かれた?マジか。よく生きてたな俺。夜兎の血に感謝だ。
上体を起こして息を吐く。…其処で、俺の思考は止まった。
…服が違う。それに、声も…何かおかしい。まるで…
「俺、副隊長の様子見てくるな?もうすぐ他の奴も来るから安静にしとけよ?"山崎"」
「…は?」
素っ頓狂な声が出ちまう。ぽかんとした俺の視線の先には、
ぐったりと横たわる、"俺"が居た。
いや、マジで…?これ、もしかして…
入れ替わってるぅううぅううぅうぅっ!?
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年5月24日 2時