真選組は、二人の事を陰ながら見守っております ページ19
沖田side
携帯に通知が入ったのは、総鬼が普段戻って来る時間よりだいぶ遅い真夜中だった。
携帯を開いて画面を見る。表示されていたのは「GPSが外されました」という文字と、最後に確認された位置情報のみ。それを確認した俺はすぐ携帯を仕舞い、近藤さんの元に急いで走って行った。
「近藤さん…!」
「どうした総悟、顔が真っ青だぞ…?」
訝しげな視線が刺さる。将棋やってたのか向かいには土方さんの姿もあった。丁度いい…!
「総鬼のGPSが取れやした」
それだけで緊張が走った。
総鬼の首に付けられたチョーカー。アレにはアイツが変な奴に攫われないようにと位置が分かるようにGPSが仕込まれてる。総鬼と一部の奴…俺や近藤さん等の指紋登録されてるチョーカーだから、他の奴が取ろうとすれば即座に通知が入るようになっていた。
そして、通知が来たという事は…
「攫われた…そう言いてぇのか」
「それ以外に無ぇでしょーよ。アイツが自らチョーカーを外すとは思えやせん」
総鬼は寝る時もチョーカーを付けるぐらいだ。絶対自分から外す事なんて無ェ。
「最後の場所は町のど真ん中、屯所から近い位置で消えてやす。今行けば間に合うかと…「待て総悟。今から追いかけてもその距離じゃ何処に行ったか分からねぇ。もう現場に行っても当人は見つからねぇよ」
…行ってみなきゃ分からねぇでしょうが。何諦めてるんですかィ土方さん。
「先ずは周辺を探れ。そんな往来なら誰か見てる奴の一人二人は居る筈だ。見つけたら犯人を捕獲すればいい。それで文句は無ぇだろ?」
「……紛らわしい言い方してんじゃねーよ土方コノヤロー」
てっきり見捨てるのかと思いやしたよ…
「大丈夫だ総悟!俺達はもう同じ釜の飯食う家族みてぇなモンだろ?さっさと迷子見つけて戻ろう。な!」
「へィ。まだ手ぇ出さねぇ内に居なくなられるのも癪なん「其処は言わなくていいッ!!」
何でィ土方さん。大声出さなくてもいいでしょーが。ま、そうと決まれば早速準備しねぇと。
「全員支度しろ!ウチの看板娘取り返しに行くぞ!」
「「「おーっ!!」」」
「いや娘じゃねぇから!!近藤さん、アンタどんな目で総鬼の事見てるんだ!?」
たくっ、騒がしいな…。でもそれだけ信頼されてるって事だよな、アイツが。
「(…絶対逃がさねェ)」
何処の誰だが知らねぇが、俺のモンに手ぇ出したからには…覚悟してもらわねぇとなァ…?
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年5月24日 2時