俺は殺し屋総悟13 ページ14
沖田side
『悪ィ、待たせちまいやしたかィ?』
「い、いえ!全然待ってません…!」
『そうか。じゃ、行きやしょう』
「…………」
電柱の裏に潜んで様子を見る。デートと言う言葉を聞いた翌日、俺は総鬼の尾行を決行した。
土方さんと近藤さんも一緒に「いや何で俺も!?」
「近藤さん、よく考えてみろ。ウチの大事な隊士に女が出来たんだ。どんな奴か知っておかねぇと、総悟に殺されるかもしれねぇだろうが」
「どんな奴であろうとも半殺しにしやす」
「いやどんな奴来ても殺す姿勢ガッツリ取ってるケド!?これ話聞かないタイプのストーカーだよね!?貴方を殺して何とやらだよね!?」
「シッ、近藤さんバレちまいやすぜ」
近藤さんの叫びを収めて再度総鬼を見る。…仲良く話しながら歩き出したな…チッ。
「(このままあの女が総鬼の女になったら…)」
間違い無く俺は除け者。普通の奴なら部屋に拘束して調教の一つでも施せるが、アイツは夜兎だ。そう簡単に拘束出来ねぇ上に、下手すりゃ俺が返り討ちにされる。
「(そうなる前に、早い内に芽を摘んでおかねぇと…っ)」
俺の手元から離れていくのを考えるだけで寒気がする。そうなる前に、アイツに近づく奴はこの総悟13が片付けてやらァ…!
「お、喫茶店に入ったぞ」
「追いかけやしょう土方さん…!」
「嗚呼…!」
「いやノリノリだな二人共!?あっ、待って!ゴリを置いていかないで!?」
喫茶店に入った二人をなるべく近くで見れるような場所…向かいの店の物陰に隠れて観察する。此処からだと窓辺の席を選んだ二人がよく見えた。
何話してンのか知らねぇが…随分と仲良くしてるじゃねぇか…!!
「よし、そのまま動くなよ雌豚ァ…今すぐ撃ち殺しt「総悟、まだだ。まだ抑えろ。奴は総鬼に接触してねぇ。手を出したところを狙え」……ラジャ」
「いやラジャじゃないから!?一般人手にかけるなんて警察の所業じゃないからね!?」
「俺等のアイドル取り戻す為の苦渋の作戦でさァ。大目に見てくだせェよ近藤さん」
「いや無理です!!!」
俺達が言い争っている間にもデートは進んでいく。暫く喫茶店で過ごした二人は、その後店を出て様々な場所を回り始めた。簪屋、服屋、菓子屋…。色んな店を回る中で、アイツは楽しげに笑っていた。
…俺と居る時より、ずっと楽しげに。
「…」
そんな顔を見ているうちに、俺の中のモヤモヤは、大きくなっていった。
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年5月24日 2時