《リクエスト》胸の内の想いを咲かせて-2-【鍾離&タルタリヤ】 ページ40
劉斗side
「止水の矢!」
『石槍、天を穿つ』
天を裂く槍が降り注ぐ水の渦を切り裂く。
いつものように黄金屋での一戦を繰り広げる俺達を、石珀の瞳が見つめていた。
飛び交う水の斬撃の合間を縫い、複数の槍と共に突撃しその身を押し倒す。
起き上がろうとした執行官の喉元に槍の切っ先を突きつければ、執行官は「はぁ〜…降参だ」と水の刃を消して両手を上げた。
「また俺の負けかぁ。でも前よりは先生について行けるようになった気がするんだけど、どうかな?」
『知った事では無い。勝ちは勝ち、負けは負けだ』
「あはは、厳しいなぁ先生は。それとも…鍾離先生が居るからそんなに厳しいのかな?」
『鍾離は関係無い』
彼の上から退き、手を取って立ち上がらせる。すると「見事だったぞ、二人共」と賛美の拍手を送りながら鍾離が此方に歩いてきた。
「素晴らしい戦いだった。劉斗にあれだけ食らいつける者はそう居ない」
「鍾離先生のお墨付きをもらえるなんて嬉しいなぁ!もっと強くなって、劉斗先生に片膝ぐらいは付けさせたいけれど…」
『膝をついた時がお前の命日だと思え』
「だよね…。先生はそう言うと思ったよ」
人間風情に負けるぐらいならば舌を切って死んでやるとも。……だが、まぁ…今日はそんな言葉は飲み込もう。
『鍾離、そして執行官殿』
「ん?」
「どうしたの先生?」
今日この場に鍾離を呼んだのにはしっかりと理由がある。執行官殿も鍾離も、こうして呼び出さねば見つける事すら困難だからな。
『……これを、受け取って欲しい』
不思議そうに見つめてくる二人を前に、俺は懐に仕舞っていた花を一輪ずつ取り出して差し出した。
傷まぬようにと気をつけて立ち回ったが、潰れもせずに花は凛と咲いていた。
「これって、炎帝祭の時に見た…」
「万華創花か」
『あぁ。その中でもより花弁が大きく、岩元素を多く含むものを採集した』
その花は俺の愛する花。その花と共に、少しだけ緊張を解すように深呼吸をして。
『お前達のおかげで俺はこうして生きている。摩耗による侵食はあれど、俺は六千年先の世でも変わらずこうして在り続けられている』
想いを、吐き出した。
『……感謝する、友よ』
「…っはは!ありがとう先生、これからもずーっと大好きだよ!」
「あぁ、この先もずっと、俺達と共に居てくれ」
俺達の声を乗せて、黄金の花は静かに花弁を揺らした。
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orchid〜オーキッド〜 - 最高です!かなり無茶なリクエストしたのにも関わらずクオリティ高いものを用意して頂いてありがとうございます!これからの活動もすっごく楽しみにしています! (12月11日 13時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - ヤァバァイもう天才ですかあなたは!!天才ですね!!めっちゃうるっと来ましたよ〜!泣 はぁ!今日も頑張れそうです!更新ありがとうございます!これからも頑張ってください!!ずっと応援してます!あ、体調には気をつけて。 (12月11日 6時) (レス) @page44 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
orchid〜オーキッド〜 - 九龍さん» ありがとうございます!もし何か分からないことあったら教えてください! (12月10日 21時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
雷デット - ありがとうございます!! (12月10日 19時) (レス) id: d5e1296c27 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - 雷デットさん» リクエストありがとうございます!書かせて頂きます〜! (12月10日 17時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年12月3日 22時