行き着いた先は… ページ16
沖田side
「…ん、ぅ…」
何だ…?意識がこんがらがってて、それで…確か、土方さんに…
頭を押さえながら起き上がる。と、目の前を人々が通り過ぎていくのが見えた。
「…っ!?」
な、何だ…!?何で、こんな人が…
…いや、待てよ。此処は…見覚えがある。向かいに立ってるレストラン、あれは…
「俺と総鬼が、行った場所だ…」
しかも人が入ってる。建物も綺麗で、まるで昔の町並みを見ているようで…
…まさか、あの時の旦那の言葉は…
"その任務、ちゃんと完遂しやがれ"
「此処は…五年、前…?」
俺が居る場所はどうやら路地裏みてぇで、運良く通りを歩く人には見つかっていなかった。
「…!」
カラン、と手から何かが落ちた。見れば月光の刀身にヒビが入り、刀身が真っ二つに折れていた。
…え、待って?旦那の話を落ち着いて整理しよう。おう。まずコレに確か旦那が機械取り付けて、その機械を作るよう頼んだのは総鬼で、ンで旦那が装置起動して過去に来たって事は、これはタイムマシンだったって事で…つまり、
「(これ壊れたら、俺帰れねぇじゃねぇかぁああぁあぁぁああぁぁぁあぁっ!!!)」
旦那ァっ!!あんだけ言って結局片道切符渡して放り投げただけじゃねーですかィ!!帰りの切符も寄越しやがれコノヤロォオオォオォッ!!!
「あー…くそっ、どっちにしろお先真っ暗でィ…」
このまま帰っても総鬼は死んだままだし、つーかマジで帰り方分からねぇし…。だからと言って此処で何しろってんでィ。
とりあえず、此処から出てみるか…。……あ、無理だ。着物が血で染まってやがる。
…そう言えば体が痛くねぇな。何でだ?
「はぁ〜…かったりィ〜…」
「…!」
聞き慣れた声。通りの方に目を向ければ、そこには隊服を纏った総鬼の姿が見えた。…いや、違う。アレは…総鬼じゃねェ。じゃあ、まさか…
「たくっ、総鬼が書類仕事じゃなきゃあ、一緒に見廻り出来たってのに…夜の討ち入りまでお預けかよ…」
この、世界は…まさか…。あの事件が起こる、真昼間だってか…!
尋常じゃねぇ様子。そんな姿は夢幻のように…→←テメーは一回、頭冷やしてこい!!
14人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年6月15日 2時