検索窓
今日:38 hit、昨日:33 hit、合計:13,133 hit

他人の評価など耳に入れるだけ無駄でござる ページ6

鬼一said

鉄で造られた通路を歩いていく。冷たい通路を歩く度、カンッカンッと自分の足音が鳴り響いていく。
俺が今目指している大広間は、鬼兵隊の主力となる面々が使う食事場になっている。普段は会議の場で使う事の方が多いが、食事の時間になると俺達だけの食事処と化すのだ。

この船には食堂が無い。おかげで部下の大半は外で食べてこの船に戻る者が多い。
その分毒殺など食事での危険が少なく安心できるが……次はせめて食堂のような部屋のある船が良いでござるな。冷蔵庫が遠くて間食を取りに行くのも一苦労でござる。

『(今日の朝餉は何でござろうか…)』

俺達の食事を作るのは武市だ。信頼の出来る者の手で作られた食事は安心できる。
それに武市自身も家事などの雑務は慣れているようで、実際に武市の飯はとても美味いのだ。参謀として健康管理も行うとは…流石の手腕と言えよう。

音楽を聴きつつ歩いていると、前方から二つの人影が此方にやって来るのが見えた。どうやら新しく入った部下のようでござるな。

「あっ、お早う御座います万斉様!」
『あぁ』

俺は万斉では無いのだが……まぁ新入りなら間違えても仕方無いか。
いちいち説明するのも面倒なので黙って通り過ぎると、もう一人の男は俺の正体に気づいていたらしく俺の事を睨んでいた。

「馬鹿野郎…!あれは天人の方だ!」
「え!…あ、ほんとだ……。髪色が違う……」
「たくっ、ややこしい見た目しやがって。何で天人が鬼兵隊に居るんだか」
「お、おい!聞かれたらどうするんだ!」
「聞かれやしねーよ、ヘッドホンしてんだし」

いや、ばっちり聞こえているでござる。生憎俺は耳が良いのだ。ヒソヒソ話も筒抜けでござるよ。

背中越しに俺の悪口を呟いた新入りは後でシメるとして、さてこの悪評はどうしたものかと思案する。
数日前から俺に関しての悪い噂が広がっているのだ。おかげで古参の者は良いが、新入りからは全く信用されていない。困ったものでござる。

別に他人に悪く言われようと気にしないが、全体の士気に関わる事に発展した今となっては放置しておくわけにもいかぬ。そろそろこの噂も断ち切らねばな。

面倒な仕事だがこれも鬼兵隊の為でござる。深く溜息を零しつつ、さっさと大広間へと向かった。

活力は日頃の食事から得るものだ→←この身は全て与えられた物で飾られている



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
27人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 男主 , 河上万斉   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

九龍(プロフ) - 連夜さん» コメントありがとうございます!こちらはこちらでまた色々と違った道を辿ると思いますので、楽しみにしてて下さい!無理せずに更新頑張ります!! (6月3日 1時) (レス) @page29 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
連夜 - 真選組の方も見ました!!高杉晋助カッコイイっス。鬼兵隊は家族って感じがなんかします。真選組は同志とか兄弟みたいな。主人公も少し設定が変わってて、真選組との絡みも前世?の記憶みたいで面白いです。応援しています。無理せずに。 (6月3日 1時) (レス) @page29 id: 433cf63c41 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年5月29日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。