逃がすな!追え!! ページ46
土方said
たくっ、やってられねぇ。出向いた現場での作業を見つつ新しい煙草に火を付ける。
煙を吐き出しながら証拠となる物が出ねぇか見て回るが、総悟の言う"河上鬼一"についてのものは何一つ出て来なかった。
「(残ってるのは血の付いた足跡とヘッドホン、それに飛び散った血液ぐらいか……)」
つっても足跡は裏にある森の方に続く数歩を残して途中で消えちまってる。他には総悟の拾ったヘッドホンぐらいしか宛が無ぇ。
でも総悟が「絶対犯人はアイツでさァ」って言って聞かねぇんだよ。何を根拠に決めつけてんだか……
俺は別に河上鬼一と言う野郎を知ってるわけじゃねぇ。ただ総悟が異様に執着しやがるからある程度特徴を知っていた。確か……人斬り万斉と同じ顔で、目が赤くて髪が呉須色で、装飾の多い群青のロングコートを着たチャラチャラした野郎って言ってたな。そう、彼処に居る奴みたいな……
「……ん?」
見間違いか?門前に群がる野次馬の奥を見ると、少し離れた先に男の姿が見えた。
呉須色の髪、逆三角形のサングラスをかけて三味線を背負った、群青のコートの……
「土方さーん、こっちも何も出やせんで「おい総悟」はい?」
「…テメー確か、河上鬼一は群青のコート着てるって言ってたよな…?」
「はぁ、それがどうかしたんですかィ?」
「………奥、見てみろ」
「奥?」
総悟が野次馬の方を見る。するとみるみるうちに笑顔になって…
「居たぁ!」
突然隣で大声を出した総悟の声が聞こえたらしい。遠くに居るソイツは野次馬を見ていたのだろう、俺達に気がつくとすぐに背を向けて逃げ出した。
「追え総悟!」
「言われなくても行ってきやーす!」
アイツ…ガキみてぇに駆け出して行きやがって…!
調査を続ける隊士にはその場で調査を続けるように言い伝え、俺もすぐ野次馬の波を割って追いかけていく。既に先に出た総悟はずっと遠くを走っていて、その先には微かに群青のコートが翻っていた。
「逃げんなオラァ!大人しくお縄につきやがれっ!」
「そうだそうだー!俺のモンになれー!」
「何言ってんだテメェ!?」
それはちょっと違うだろ!?相手人斬りだからなっ!?
27人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
九龍(プロフ) - 連夜さん» コメントありがとうございます!こちらはこちらでまた色々と違った道を辿ると思いますので、楽しみにしてて下さい!無理せずに更新頑張ります!! (6月3日 1時) (レス) @page29 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
連夜 - 真選組の方も見ました!!高杉晋助カッコイイっス。鬼兵隊は家族って感じがなんかします。真選組は同志とか兄弟みたいな。主人公も少し設定が変わってて、真選組との絡みも前世?の記憶みたいで面白いです。応援しています。無理せずに。 (6月3日 1時) (レス) @page29 id: 433cf63c41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年5月29日 1時