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考える前に目の前の事を済ませてしまおう ページ31

鬼一side

『…くしゅ!』

…少し体を冷やしてしまったか…?風邪は無縁だと思っていたのだが…
万事屋から離れた俺はそのまま旧市街の方へと歩いていた。江戸らしい古風な建物が並ぶ中を、家族連れや仲の良さそうな者達が和気藹々と話しながら過ぎていく。都心と違って此処は長閑で良い所だ。

『(それにしても、刀を扱う以外の事をしてみろと言われるとは……)』

つまりは人斬り以外の事をしてみろ、と言う事でござろう。しかし仕事以外の事などした事が無い。俺にとって仕事と休みは同じようなものなのだ。
外に出て気侭にふらつき、仕事をして帰る。それ以外の事をしてみろと言われても…いまいちピンとこない。
確か新八殿は家事をやってみてはどうかと言っていたか……。家事……全部武市に任せっきりだからな……

『(それに俺だと色々壊しそうでござる…)』

昔は力の加減が出来ずに色々割ったものだ。万斉のサングラスを割り砕いた時は死ぬかと思った。
あの時の万斉の顔は思い出したくない…

『ふむ…やはり武市に聞いた方が早そうだ』

考えても思いつくのは大惨事の未来ばかりだ。一旦この話題は置いといて、目の前の仕事をこなしてしまおう。
目的地となる館を目指して歩いていく。次第に周囲の景色が民家の並ぶ道から木々の並ぶ砂利道へと変わっていく。
砂利道をそのまま進んでいくと、見えてきたのはポツリと佇む立派な館だ。

『此処か』

随分と大きな館だ。巨大な鉄の門を構える西洋風の館の前には、見張りの男達が門前に待機していた。二人共見知った顔だ。

『直久殿、佐久間殿』
「…!これはこれは、鬼一殿!」
「お久しぶりで御座います!」

声をかければ二人は笑顔で俺を出迎えてくれる。一度此処に顔を出した時以来の再会だ。
俺は笑みを返し、二人の方へと歩いて行った。

「お一人ですか?何故此方に…?」
『晋助から此処での仕事を任されて参った次第でござる』
「此処での仕事、ですか?それはど」

直久殿の声は途中で途切れた。俺が彼の体を取り出した仕込み刀で斬り裂いたからだ。
鋸状の刃が傷口を抉るように彼の左肩から右の脇腹にかけて、斜めに深く刃を潜り込ませる。振り切ってしまえば、彼の体は嫌な音を立ててズルリと斜めにずれ落ちた。

「…鬼一殿…?」

呆然とする佐久間殿の方を向く。日も落ちた暗い世界の中、静かにサングラスを押し上げた。

『これも仕事でござる』

その顔面に、勢い良く刃を叩き込んだ。

やはりこちらの世界が合っている→←良い金づる見つけた!



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設定タグ:銀魂 , 男主 , 河上万斉   
作品ジャンル:アニメ
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九龍(プロフ) - 連夜さん» コメントありがとうございます!こちらはこちらでまた色々と違った道を辿ると思いますので、楽しみにしてて下さい!無理せずに更新頑張ります!! (6月3日 1時) (レス) @page29 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
連夜 - 真選組の方も見ました!!高杉晋助カッコイイっス。鬼兵隊は家族って感じがなんかします。真選組は同志とか兄弟みたいな。主人公も少し設定が変わってて、真選組との絡みも前世?の記憶みたいで面白いです。応援しています。無理せずに。 (6月3日 1時) (レス) @page29 id: 433cf63c41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年5月29日 1時

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