ブルーな気分と言うのは不定期に訪れるもの ページ23
鬼一side
少し先で見つけた公園に入り、ベンチに座って駄菓子を一つ二つと開けていく。
無邪気に遊ぶ子供達の姿を見ながら、ヘッドホンから流れる音楽をぼんやりと聴いていた。
それにしても子供の高音は毎度の事ながらヘッドホンを貫通するでござるな…。元気があって宜しい。
『……』
こうしてはしゃげる子供が少し羨ましかったりする。俺を知る古参の部下達も、俺の子供時代の話をする度に「俺もあの頃は〜…」などと幼少期の事を話す者が多い。…俺には出来ないものだ。
『記憶喪失も大変でござるなぁ……』
別になりたくてなったわけでは無いのでござるが。
ビニール袋に詰めた菓子を半分食べ終えてから、うんと伸びをして空を眺めた。今の俺の気持ちとは逆に、気持ち良い程の晴天だ。
『(…もし俺が危険な天人だとしたら、捨てられるのだろうか…？)』
鬼兵隊は倒幕を目指す集団。天人嫌いが多く集まるこの場所に、果たしてこの先俺の居場所はあるのだろうか？
今は何も分からないままだからこそ鬼兵隊に居る事を許されているが、もし…もし俺が害をなす天人だとしたら、晋助は……皆は俺を捨てるのだろうか。
『…それは嫌でござるなぁ……』
捨てられたくない。俺にはもう鬼兵隊しか居場所が無いのだ。記憶が無くても良い。だから出来る事なら、ずっと此処に居たい。
役に立てるように、頑張るから。
『(…怖い)』
もう独りは嫌だ。あの冷たい雨に晒されるのは御免だ。…強くならなければ。晋助達の背中に追いつけるぐらい、不安を拭い切れるぐらい、強く。
乱れた思考をシャンシャンと鳴る音楽が掻き消していく中、目を閉じて暫く音楽を聴いていると、不意に目の前に人の気配を感じた。
『…？』
正面を見ると、目の前には中華服の少女が立っていた。番傘を差した赤髪の少女だ。
その子供はじっと俺の事を見た後、隣に置いてある駄菓子の入ったビニール袋に視線を移した。
「お前此処で何してるアルか」
『人の事をお前と呼んではいけないでござるよ。菓子が欲しいならくれてやる、さっさと遊びに行け』
「変な喋り方アルなお前。見た目はチャラ男なのに中身は古臭い親父みたいネ」
『失礼な娘でござるな……』
何なのだ一体……。喧しい子供の鼻歌を聞く気分では無いと言うのに……。
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九龍(プロフ) - 連夜さん» コメントありがとうございます！こちらはこちらでまた色々と違った道を辿ると思いますので、楽しみにしてて下さい！無理せずに更新頑張ります！！ (6月3日 1時) (
レス) @page29 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
連夜 - 真選組の方も見ました!!高杉晋助カッコイイっス。鬼兵隊は家族って感じがなんかします。真選組は同志とか兄弟みたいな。主人公も少し設定が変わってて、真選組との絡みも前世？の記憶みたいで面白いです。応援しています。無理せずに。 (6月3日 1時) (レス) @page29 id: 433cf63c41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年5月29日 1時
