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信ずるものは一つで良い ページ12

鬼一said

……下が騒がしい。ヘッドホンから流れる万斉の三味線の音に合わせて気分良く弾いていたと言うのに、一体何を騒いでいるのやら……

『何を騒いでいるのでござるか』

思わず演奏を止めて下に降りてみれば、作業中にも関わらず大勢の部下達が立ち話をしているようだった。
また子まで輪の中に居るのでござるか。監視の仕事を放り出してはいけないでござるよ。

「お、鬼一様!今丁度鬼一様の話をしてたんですよ!」
「昔の鬼一様は可愛かったなーって、な!」
「おう!ちっちゃくてとても愛らしくてなぁ!」
『残念だがその愛らしい子供は俺でござるよ』

昔の話は気恥ずかしくなる。あの時とは性格も何もかも違うのだ、何だか……むず痒くなるのでござる。それはそうとお主ら、此処で立ち話をしてサボるとはいい度胸でござるな?
腕を組んで睨んでやると、奴らは慌てて「始めたのはまた子様です!」と言い出し始めた。それにノッたのはお主らでござろ。

「昔は言う事聞いてくれたのに……今じゃ全く言う事聞いてくれないんだから……」
『そんな事無いでござる』
「そんな事あるから悩んでるんスよ!今だってサボってるじゃないッスか!」
『上は見晴らしが良い故、こうして上から監視してるのでござるよ』

サボりでは無いでござる。それにこの監視が今日の仕事でも無いでござる。

『さて、昔語りばかりして作業の手を止めている者達が此処に居るが……これは晋助に言いつけても文句は無いと「お前らーっ!!総督にぶった斬られる前に持ち場に戻れーっ!!」「「おーっ!!」」

全く…手のかかる部下共でござるな。
蜘蛛の子を散らすように作業に戻る部下達を呆れながら見ていると、一人の若い男が此方にやって来た。先程からまた子と話していた者でござるな。

「あの、鬼一様…少し宜しいでしょうか…?」
『あぁ、何か用でござるか?』
「その…例の噂の事なのですが……」
『噂など全て嘘だと言っておくが、お主の信ずる言葉は俺や噂の言葉ではなく、晋助の言葉だけでござる。それだけを頭に留め置けば良い』

俺は何と言われようと構わぬ。ただ晋助やこの鬼兵隊を脅かすものを排除するだけでござる。
男は少し黙った後、深くお辞儀をして立ち去った。彼の中で納得できる事でもあったのだろう。

…そろそろ時間でござるな。

『また子』
「いいっスよ。こっちは私がやるッスから」

話が早くて助かる。
俺はその場を離れ、船の反対側に回った。

俺ァ気に入ったモンは大事にするタチなんだよ→←初めての出会いは喧嘩から



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設定タグ:銀魂 , 男主 , 河上万斉   
作品ジャンル:アニメ
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九龍(プロフ) - 連夜さん» コメントありがとうございます!こちらはこちらでまた色々と違った道を辿ると思いますので、楽しみにしてて下さい!無理せずに更新頑張ります!! (6月3日 1時) (レス) @page29 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
連夜 - 真選組の方も見ました!!高杉晋助カッコイイっス。鬼兵隊は家族って感じがなんかします。真選組は同志とか兄弟みたいな。主人公も少し設定が変わってて、真選組との絡みも前世?の記憶みたいで面白いです。応援しています。無理せずに。 (6月3日 1時) (レス) @page29 id: 433cf63c41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年5月29日 1時

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