ハートのトランプは幸せな夢を見る (ページ39)

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❤物凄く怖いページ39

ジャックside

数日後……

「エースが全くこっちに来ない……」

どんよりとしたまま呟くと、エイトフットが「飽きられたんじゃねぇの」なんて心にも無いことを言ってくる。相変わらず僕の部屋で書類の片付けをしているんだけど、最近の僕には悩みがひとつ出来ていた。
そう、エースのこと。あの一件以降ずーっと不思議の国に行きっぱなしで、全く会えてないんだ。連絡も既読がつかないし、毒林檎に聞いても「私の方にも連絡が来ていない」なんて不安そうな顔されて、今本当に気が気じゃない。

「(やっぱりあの時のこと引き摺ってたのかな……)」

考える度に嫌な想像が湧き出てくる。『”僕、ジャックと別れるから”』なんて言われたら、自分から首を掻き切るぐらいには正気を失うぞ。いや寧ろ人間の姿維持出来ないほどにはショックだ。

「おい、変な想像すんな。お前の周りに雨雲出来てんぞ」
「え？わー！？ふやけるふやける！」

しまった！想像しすぎて気持ちが実体化してた！どんよりした雨雲を慌ててかき消して書類に向かい合うと、エイトフットが「はぁ〜」なんてため息混じりに僕の方を向いた。

「そんなに気になるなら会いに行けよ。さっさと聞き出した方が早ぇだろ」
「そ、そうかもだけど！その…結構勇気いるんだよ…」
「あ？何でだよ」
「え、あ、いや別に！」

危ないっ、そう言えばエイトフットには事情話してなかったんだった！危うく口を滑らせかけた…！
はてなマークを浮かべる彼に「色々あるの！」なんて誤魔化した時、ガチャッとドアの開く音がした。振り返ってみるとそこにはエースの姿があ、え、ぁ、ちょっと待って！？

「お、おい……どうしたお前……！？」

入ってきたエースの姿はそれはもう見てられないほどげっそりしていて、べちゃべちゃのインクと薔薇の花弁に塗れていた。慌てて駆け寄ると、エースは隈の濃い顔を上げて、力なく笑った。

『縺ゅ?√ｄ縺√ず繝｣繝?け縲ゅ♀莉穂ｺ矩??ｪｿ?』
「うわー！？！？エース！？！？」

こ、言葉が！言葉がワンダーなことになってるよー！？

『繧ｸ繝ｧ繝ｼ繧ょｱ?◆繧薙□縲ゅｂ縺励°縺励※譖ｸ鬘樊嶌縺?※縺溘??』
「おい、今すぐ食堂行くぞ。皆呼べ早く、緊急事態だ」
「皆ー！！エースが壊れたァァァ！！！」

はてなマークを浮かべてへらぁと笑うエースを抱き上げて、僕とエイトフットはそのまま食堂まで走った。