ハートのトランプは幸せな夢を見る (ページ25)

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❤別に良くない？ページ25

ジャックside

「点検？」

戻ってきた僕とエースは何故か医務室に呼ばれて、エイトフットから点検の話を聞いていた。
点検かぁ…僕もエースも最近怪我したばっかりだし、丁度いいかも。

「じゃ、まずは僕から行くよ！MP～！宜しくね！」
「お任せ下さい！ではまず、ジャックさんの身体検査からしますね！」

身体検査？…あぁ！

「こういうことかな？」

椅子に座った僕は、その場で無数のトランプに変身する。ぱらぱらと舞うトランプの塊になった僕を、MPはじっと見て手元の紙になんか色々書き綴った。

「傷なし枚数もある…はい、いいですよ！」
「いつも思うけどよく全部見れるよね～？」
「観察眼だけは鍛えられてまして…」

たはは、と笑う彼に「流石～！」なんて返して、次々と魔法をお披露目する。ポットを出してみたり手や首を分離してみたり…僕とエースはいろんなことが出来るからね！

「ジャックさんも特に問題はありませんね。お疲れ様でした！もういいですよ！」
「はーい！あ、次はエース…」

立ち上がって振り返る。でも控えの椅子にエースの姿は無かった。

「…あれ？」
「エースさん、居ましたよね？」
「うん、さっきまで後ろに…」

というか、皆も居なくない…？

「こらエース！！逃げるなテメェ！！！」

うっわ！？エイトフットの怒声が廊下から聞こえてきたんだけど！？
慌ててドアを開けて廊下に出る。そしたらエースがなんと皆と追いかけっこしてるんだ！

『絶対に！！嫌だ！！』
「嫌だじゃない！！皆点検受けたんだぞ！！」
「バッドボーイだぞエースー！」
『うるさーい！！人間の指図なんか聞くもんか！！』
「わがまま言うんじゃありません！！」
『マルフィは僕のママなの！？！？』

わぁお♪全員から逃げるなんてさっすが僕の恋人！捕まえようとする木も腕も蛸足もぜーんぶ避けて、エースは僕の所に逃げ込んできた。

『助けてジャック！』
「わぁ！もう、困った子だなぁエースは♪」

背後に隠れるエースの頭を撫でる。息を切らして追いついた皆を見て、僕はエースの腕を掴んだ。

「はい、点検行こうね～」
『嫌だぁああぁああああぁあっ！！！』

も～、わがまま言わないの～！すぐ終わるんだから我慢して！
嫌がって抵抗するエースを引きずって、僕は医務室へと入っていった。