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第十三話 超違和感 ページ14
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Aがやった!と飛び跳ねているとき
太宰が独歩にまた嘘の健康法を教えているとき
独歩が万年筆(多分3本目)を勢いよく折っているとき
中島敦はこれまでにない妙な違和感に襲われていた。
_______ごめんね、敦。
さっき耳元で囁かれた言葉には傷を付けた意味のほかに、別の意味がある気がしてならなかった。
そもそも未だ自分の名前すら名乗っていない。
当の本人は相も変わらず茶漬け屋の中だというのに飛び跳ねている。
ゆらり、と動くたびに揺れる長く明るい茶髪。
ずっと彷徨い続けてきたのか輝きこそ無いものの、汚いという印象は何故か出てこなかった。
それに...
触れられた一つ一つの感触がどこか懐かしく、離れるのが名残惜しくなった。
これは気のせい?それとも。
その思考は、どうしたの敦君、怖い顔して。という太宰の言葉でかき消された。
「え、ああ」
何でもないですよと答えると振り切るようにすっかり冷めたお茶を勢いよく飲み干した。
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作者名:ソルジャー | 作成日時:2016年1月2日 3時