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ありがちな話:kwmr ページ37

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少しお散歩しない?と彼から誘われたのは、夕飯を食べ終えて少し経った頃だった。

秋の夜長に散歩とはなかなか粋なもので、冷えた空気と遠くから聞こえる街の喧騒が一日の終わりに華を添えている。


「あれ、こんな所に公園なんてあったんだ」
「本当だ、初めて見ました」
「ちょっと寄っていかない?」

控え目な街灯が照らすそこは、ブランコと滑り台、それにベンチがひとつあるだけの小さな公園だった。
色付いた木々に囲まれているからか随分秋めいている。

「ブランコなんていつぶりかなぁ」
「ちゃんと乗れますか?」
「僕そこまで運動音痴じゃないよ」

よいしょ、という掛け声とともに少しだけ勢いをつけた彼が揺れた。

「わ、ちゃんと出来てる」
「でしょう?公園の遊具ぐらいなら一通りいけると思うよ」
「がっつり運動するのが苦手なんですか?」
「まぁ得意とは言えないかなぁ」
「そこら辺、私とは真逆ですよね」
「部活とかやってたんだっけ?」
「そうです、ずーっと運動ばっかりしてました」
「勉強漬けだった僕とは大違いだよね」


話している最中も揺れている彼の横で、足はつけたままゆらゆらと前後する。
キイ、という金具の音が耳を抜けた。


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.→←実現可能性:izw



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キタ(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます。まさしくミッシェルの「世界の終わり」を意識していましたので、分かっていただけて嬉しいです。拙い文ばかりですが、また更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。 (2019年10月29日 0時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
さち - はじめまして。「終焉のエピローグ」を読んで、初めてコメント致しましたm(_ _)m。ミェルガンエレファントの「世界の終わり」のような世界でquizknockとミッシェルが好きな私にはたまりません(*^-^*)。これからも楽しみにしています(^-^) (2019年10月28日 22時) (レス) id: 4daa7caae5 (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - やまうみ。さん» コメントありがとうございます。前作からということで長い間ご贔屓にしていただけて有難い限りです。例の件はこういうジャンルではままあることですので、仕方ないですね。なるべく更新し続けていけたらと思いますので、今後もよろしくお願いします。 (2019年10月14日 2時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - 初めまして、コメント失礼いたします。前作からずっと読ませていただいておりまして、どのお話も読みごたえがあり美しい文章にやられております。騒動があったなかで続けてくださる数少ない作者様の一人でいらっしゃるキタ様が憧れです、これからも応援してます! (2019年10月13日 19時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
キタ(プロフ) - 佐野様>>コメントありがとうございます。良く見るお名前にびっくりしていますが、前作からお読み頂けていたなんて光栄です…!纏まりのない話ばかりですが、色々捻り出して更新してみたいと思います。佐野様の作品も楽しみにしています。 (2019年10月6日 22時) (レス) id: 287acd08f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キタ | 作成日時:2019年9月26日 19時

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