reve avec les yeux ouverts

実現可能性:izw ページ36

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「素敵なデートプラン、って何！？」


唐突な須貝さんの叫びに、俺とAちゃんがほぼ同時に顔を上げた。


「え、なに？」
「この前彼女に”素敵なデートプラン作ってきて”って言われたんだけど素敵なって何！」
「そりゃ素敵は素敵でしょ」
「だから何が？景色？感情的なこと？Aちゃんもアイディア頂戴…」
「ロマンチックな感じじゃないですか？」
「ロマンチック？」


彼女からの無理難題にどうにか応えようと、ああでもないこうでもないと会議が続く。

俺もAちゃんとデート……の、前に、片思いを終わらせるところからのスタートだった。


「あ、Aちゃんならどんなことしたい？須貝さんに教えてー」

ナイスパス。俺も参考にさせてもらおう。

「うーん、相手が楽しめる所に行って、疲れたら家でゆっくりしたいです」
「俺が楽しめる所かー」
「よくあるショッピングはつまらないじゃないですか、相手からすると」
「まぁ確かにほぼ付添いみたいなもんだからな」
「自分も相手も楽しめるプランがいいですよね」
「さすが気遣いの出来る子だねぇ」

なるほどね。
良いこと聞けたな。

「伊沢だったらどこ行く？」
「まぁ、とりあえず夜景の見えるレストランでディナー」
「うわ、ベッタベタ」
「うるせぇな。昼間は、そうだな、海までドライブとか」
「結構ロマンチストなんですね」
「Aちゃんまでそんなこと言う？」
「いいぞもっと言ったれ！」


年下のAちゃんと少し大人びたデートを、なんて思って考えたけれど、どうやらあまりハマっていないようで人知れず肩を落とす。
ニコニコしているから引いてる訳では無さそうなのが救いか…


「あんま好きじゃない？こういう大人っぽいの」
「うーん、そういうデートはしたことが無いので、緊張して色々やらかしちゃいそうで、」
「失敗してもそれが男心擽るよね、ねぇ伊沢さん？」
「まぁ、それすら可愛いよ」


そうですかねぇ、とAちゃんは首を捻るけれど、そういうもんなんだよ、男ってのはさ。


須貝さんが今までの話を携帯にメモしていると、Aちゃんがそっと近付いてきて目が合った。

「でも伊沢さんとなら、そんなデートしてみたいかも、」

俺にだけ聞こえる声で囁いたAちゃんがイタズラっぽく笑い、何か言った？という須貝さんの問いにいいえなにも！と返している。

その横の俺は開いた口が塞がらないままだけど、あれ、これってもしかして、もしかするの？


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