reve avec les yeux ouverts

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「逆に、伊沢くんは私のこと、どう思ってるの？」
「好きだなぁと思ってる」
「いつから？」
「ずっと前から」
「そう、なの？」
「いくらアピールしても気付かれず愚痴大会ばっかり開くから、強硬手段に出てみた」
「へ、へぇ…」
「で、Aはどうなの？俺、結構優良物件だと思うんだけど」



あ、それ自分で言っちゃうんだ。
俺は？と問われて伊沢くんのことを思い返してみる。



人見知りな私とすぐに打ち解けてくれた。

講義が被れば試験前に頼りきっていたし、お昼休みに盛り上がりすぎて遅刻しかけたこともあったっけ。

卒業してもこうやって定期的に会っていて、良いことも悪いことも何かあれば伊沢くんに最初に報告して……って、あれ。

私の生活、伊沢くんの存在で成り立ってる…？



「学生時代から思い返してたんだけど、」
「うん」
「私、伊沢くんがいないと、困るかも」
「なにそれ」
「学生の時からずっと、伊沢くんと一緒だったな、と、思った」
「今更気付いたのかよー」
「だってさらっといつもいるから、何かそういう感じってなってなかった…」
「マジかよ」
「でも、伊沢くんがずっと一緒にいてくれるの、悪くないなと思ってる」
「それはつまりOKってこと？」
「あの、いきなり結婚はあれだけど、それを前提にお付き合いから、ってのは…」
「段階踏んでからってことね」


私が混乱してドキドキして大変なことになってるのに、そうさせた当の本人は「ま、いきなり結婚はな」とか言いながら平気な顔して焼き鳥をつついてる。
分かってるなら最初から…って思ったけど、どうやら私が鈍感すぎたらしいので、これぐらいじゃないとダメだったのか。


「とりあえず、今からAは俺の彼女だからなんも気遣わなくていいよ。あ、婚約者でもいいけど」
「うわ、言葉に出すとめちゃくちゃ恥ずかしい」
「付き合ったからにはもっと恥ずかしいことする予定だけど」
「え、ちょっ、やめて、まだ準備できてない」


上手く絆されてる気がするけどどうなんだろうこれ。
でも、これからも愚痴聞いてくれるならいいか。
伊沢くんに永久就職、なんちゃって。


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