柳は緑花は紅 (ページ20)

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…紅ページ20

《ホソク》

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テヒョンが、越えた壁を俺も越えたいなとちょっと思っていた。
テヒョンとよく話すようになったAさんにメンバー皆がチラホラと話しかけていて、やっぱり最近話しやすくなったよな、と思っていた。

｢私はナムジュンさんが可愛いですけどね、
そのエクボ欲しいですもん。｣

ナムジュンも、なんだか楽しそうに話してんだな、可愛いとか言われて照れてるナムジュンが意外で、でも､俺だってえくぼが出るのに。

なんて、ちょっぴりムっとしたりして。
なんで嫉妬？

追いかけられたら、めんどくさいとか逃げたくなったりするのに、俺たちに興味が無さそうな、話しかけても必要以上に話さなかったAさんに、逃げるものを追いかけたくなるような気持ちになってるのは、テヒョンだけじゃないのか？

男の狩猟本能なのか？

みんながAさんの事を少しだけ気にし始めたような気がしていた。

たまに聞こえる雑談に彼女の人柄や面白さがチラチラ見えるからだろう。

確かに話してみたいな、と思う。
今までプライベートとかも全然出さない人だったもんな。
テヒョンのせいで興味が湧くよな。

『A～手が空いたら俺の頭を……』

｢今、無理です。テヒョンさん、自分で揉んだらどうですか？｣

『えー、いいじゃん、ホビヒョンもう終わるでしょ？』

『Aさん、俺の頭皮は大丈夫かな？俺もマッサージしてもらいたいっ！』

俺もテヒョンの言葉に乗ってみよう。

｢テヒョンさんに内緒ですよ？ホソクさんの方が柔らかいです。でも、少しだけやりますね。｣

コソッと耳打ちして頭をマッサージしてくれる。

｢ホソクさんの次にテヒョンさん行きますからちょっと待っててください。｣

『えー！ホビヒョンもう終われば？』

『テヒョンァー！うるさいぞー順番守れ、』

｢はいはい、テヒョンさんは倍時間かけますから待っててくださいねー｣

やっぱり、仲良くなったんだな、と分かるようなやりとり。ちょっとテヒョンが羨ましい。

『テヒョンめんどくさいよね、ごめんね。』

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