柳は緑花は紅 (ページ19)

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…紅ページ19

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それは、仕事の事でほかのアシスタントの人と話しているAさんだった。

少し甘えん坊な美人なアシスタント、Aさんと同じくらいのメイクアシスタントだろうか、それともAさんより上の立場なのか。下なのか。

敬語で話してはいるが、結構厳しいことを言ってるAさん。

でも、確かに……
メンバーや他の男性スタッフにはニコニコぺちゃくちゃ喋っててくっついているのに、準備や片付けは、全然してなくて、結局Aさんばかりが、バタバタ働いている。

｢そこ、終わったらこっちの準備一緒にお願いできますか？｣

｢あの、片付けまだ終わってないんですけど。｣

最初こそ、丁寧だった言葉がいつの間にか、

｢なんの為にここにいるんですか？邪魔するだけなら、もういいんで。帰ったらどうですか？｣

｢おしゃべりは、外でお願いできます？片付けたいんで。｣

そんな言葉に変わる。
Aさんって、意外とハッキリしていて気持ちがいいな。
真面目で仕事も早くて文句も言えないだろうからあの人もちゃんとすりゃいいのに。

『オッパ～私、Aさんって怖くて苦手です～なんで私、イジメられてるのかわかんない～』

って……
その人はお気に入りのジニヒョンに甘えて愚痴っていた。いつもの事だけど……

さすがに忙しいこの頃、ヒョンも相手するの嫌だろうに。
ちょっとおかしい奴か？空気読めよ。
しかも、いつもチクリちくりとAさんに文句を聞こえるように言うのな。性格悪そう。

『あのさぁ……、

これには優しくしていたジニヒョンも呆れたのか？
彼女に何か言おうとした時だ。

｢あなたが私を嫌いでも、あなたに好きになってもらうために私自身を変える事は出来ないです。だって私は私だもの、ちゃんと仕事もしてますし、嫌われても私は何も変わりませんよ？
仕事を怠けてる人に好かれたいとも思いませんし。｣

ズバッと言ってくれた。

ジニヒョンが何か言いかけたのに遮った。もしかしたらヒョンに嫌な役をさせないように、とかなのかな。

｢ジンさん、いつもすみません。疲れてるのにまとわりつかれてたいへんですね。
邪魔ですよね？同じヘアメイクとして謝ります。すみません。｣

あの人、顔真っ赤にして出て行っちゃったよ。

清々しい。

Aさんって、かっこいいな。

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