18 ページ19
センラside
「よ、よろしくお願いします。」
「あぁ、そんなに畏まらなくていい。
俺は織田作之助。
織田作と呼ばれることが多いな。」
センラの稽古をつけてくれる人は
下級構成員の人らしかった。
センラたちはまだその構成員にすら成れていないから
稽古をつけてもらっているのだが、
何故この人なのだろう。
下級と云うことは実力はそこまで期待できない。
聞けば、銃で人を殺したことがないとか。
センラだって無いわ、と言いたいところだが、
そのうちたくさんの人を
殺していかなければならなくなる。
ならば、最低限殺さなくて済む方法を、
教えてはくれないだろうか。
「杠光ですっ。織田作さんですね、
よろしゅうお願いします。」
普通でいい、と言われて頭を撫でられてしまったので
少し顔が赤くなる。
センラ結構背高いと思ってたけど、
織田作さんはもっとやなぁ。
お父さんみたいな風格やな。
お髭が立派や。そんな生えてないけど。
「光、か。いい名前だ。よろしく頼む。」
久方ぶりに初対面の人にセンラと名乗らなかった。
何故かこの人には光と呼んで欲しかった。
「じゃあ行くか。」
「何処にです？」
「ついてこればわかるさ。」
坂田より暗めの赤髪を揺らし、歩く背中がまるで
自分の父のようで、
どうした？と振り向いたときの瞳は
優しい色だった。
連れてこられたのは、
「カレー屋？」
「ついてこい。」
お店のオヤジさんに親しげに挨拶をした織田作さんは
センラに挨拶しろ、と促した。
センラはいつも通りの挨拶をする。
すると織田作さんは建物の二階へと、
階段を登っていった。
センラも後についていく。
ここはアパートのようだった。
何室か部屋があり、
織田作さんは一番奥の部屋のドアノブをゆっくりと回す。
誰かいるのだろうか。
ドキドキとした緊張感と好奇心で
溢れ返りそうになりながら、
息を飲む。
開かれたドアの奥には、
小さな男の子4人と小さな女の子1人が居た。
みんな此方に気づいていないかのように
静かに、各々なにがしかをしている。
不思議に思って織田作さんを見つめると、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空き地@ktnk - 初コメ失礼します。とても面白いです！更新されることを待っています！頑張ってください！ (2020年9月24日 7時) (
レス) id: da313b2c7d (このIDを非表示/違反報告)
リンレイ - 凄く面白いですね！更新楽しみにしてます！ (2019年10月21日 7時) (レス) id: 551bea7f08 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - めっちゃ面白かったです。更新復帰楽しみにしてます。 (2018年1月28日 16時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2017年8月13日 3時
