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「え、京都……?遠くない……?何でAが…?」
『歌姫先輩が体調不良と有給消化の関係で私に声が掛かったの。歌姫先輩直々のご指名を頂いちゃって……』
確かに、Aは硝子と同じで気に入られてたしな。悟と私は嫌われてたけど。
『あ、でも出張じゃないんだよね。…京都姉妹校交流会あるでしょ?その時の引率というか、担任……。担当…?だね』
「そうなんだ。それなら良かった。…Aと一週間くらい離れなきゃいけないとか嫌だし」
最近忙しすぎて忘れていたが、約一週間後に京都姉妹校交流会があるんだった。それに向けて、生徒達の稽古をより一層つけて欲しいと頼まれているんだっけ。
臨時の担当といっても、
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
一週間後。
京都姉妹校交流会。
『夏油Aです。歌姫先生に代わり、ここでの引率させてもらいます。何かあれば私に相談してください。よろしくお願いします』
「夏油って……」
「あの……」
「有名な……」
名乗った途端女子生徒三人は、それぞれ思い思いに言葉にした。何が有名なんだろうか、変な噂が流れていないといいけれど。
「よろしくお願いします」
「よろしく」
「よろしく頼む」
そして、それぞれ男子生徒はややぶっきらぼうなのもあるがしっかり挨拶をしてくれた。まあ、いつも居て皆が好きな歌姫先生じゃないから仕方が無いか。
「夏油さん」
挨拶が終わった後、先程の女子生徒の内の一人に呼ばれて振り返った。青い髪の特徴的な前髪…確か、三輪霞ちゃん。
『三輪ちゃん。……早速、何かあった?』
「い、いえ!問題は何も無いんですが、夏油さんって旦那さんいらっしゃいますよね?」
いきなり旦那さんはいるかと聞かれて、少し驚きつつも頷きながら答える。数少ない指折りの特級呪術師に加えて、あのルックス。それに五条と違ってマトモ。憧れている術師も多い。彼関係で声を掛けられることも多い。
『うん、夫が居るよ。東京校の先生してるから、後で会えると思うよ。傑に何か伝えておこうか?』
「後で、お二人と写真撮ってもいいですか?」
斜め上の返答にまたもや驚かされる。用事があるのは夫婦揃ってだったかと思いながらも、笑顔で了承する。
『勿論。今からだと団体戦があるし、疲れるだろうから先に写真撮っちゃおっか。向こうにいると思うから一緒に来てくれる?』
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作者名:蓮実 | 作成日時:2023年10月16日 0時