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先日の夜は彼女に無理をさせたので、その日中は家でのんびりと過ごした。今日は元々休みを取っていたので、久しぶりに二人で出掛けようということになった。
どうせなら、ということで沖縄へ日帰り旅行がしたいと彼女が言ったのでそのまま早朝に起きて飛行機に乗り沖縄へ。
『傑。私、海に行きたい!』
「いいよ。行こう。どこでもついて行くよ」
沖縄の海なんてあの時の学生ぶりだろうか。あの時から色々あったな。…二人で護衛していたからAとは一緒に来ていない。
海に来たら流石に着替える…そう水着に。妻の水着姿、久しぶりに見る。その姿も楽しみなのだが、他の男に見られたくないという葛藤もある。いや、私が傍で見張っていれば問題無いだろう。
彼女が更衣室から着替えて出てくるのを待つ。10分経ったのにまだ出てこない。あれ?と思い、スマホを取り出すと「着替え終わったから、場所取りしてる」とのことで、辺りを見回すとAを見つけたが……、二人の男性に何やら絡まれている。彼女の元へ急ぎ走って向かった。
「おねーさん、一人?」
『……』
「えー、何、シカト?冷た〜」
『……』
「ちょっと、聞いてる?」
一人の男が彼女の腕を掴もうとした時に、男の手首を捻りあげる。
「いて!何すんだよ!」
『……あ、傑!』
「遅くなって、ごめんね。……さて、彼女は私の妻なんだけど、何か用?」
「……チッ」
大したこと無やつほど群れてくる。軽く捻っただけなのにな……。私の顔と姿を見るなり、怯んでどこかへ走って逃げて行った。
『ありがとう。触ってきたら私も捻りあげてやろうと思っていたんだよ』
「ははっ。Aに捻られて痛がる彼らを見てみたかったけど、Aに触るのは許せないかな」
実際、彼らより彼女の方が強いだろうが、Aの肌に触れるのは許せない。それに私が一番に彼女の姿を見たかったのに。フリルのついた甘すぎないビキニを着ていて、彼女のスタイルの良さが際立っていて、とても似合っている。
「A、その姿よく似合ってて素敵だよ。とても可愛い」
『ありがとう。傑も似合ってるよ。……あ、こんな時に言うことじゃないかもしれないんだけどさ』
「ありがとう、A。ん?どうしたんだい」
『私、京都校の臨時教師になったよ』
「…え」
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作者名:蓮実 | 作成日時:2023年10月16日 0時