・ ページ8
.
「そういえば北山にまだツンケンしてるの？」
『ツンケンって…』
「ツンケンしてるじゃん」
クスクス笑う。この人は私の態度を楽しんでるらしい。
「どこがそんなに気に入らないの？」
『気に入らないっていうか…』
「まあ陽の雰囲気が凄いもんな」
『え、』
「あれ？あの何でもできちゃう感じが鼻に触るとかでしょどうせ」
ん？って私を見る。少し黙ってしまった私を見て肯定と受け取ったらしく、俺もさ、と続ける。
「俺も最初は北山苦手だったなあ」
『…そうなんですか？』
「何事もそつなくこなす感じとか、人に好かれる感じとか」
思い当たる節しかない。
「でもさAちゃんならもう分かってると思うけど、北山ってめっちゃ努力家じゃない？」
『……』
「現状に満足しないで常に上見てるの。でも周りのことも気にかけててさ。俺も救われた1人だから」
『救われた？』
「Aちゃんは知らないと思うけど、俺元々営業部に配属されてたんだよ。でも俺営業向いてなくてさ。それに俺が行きたいのは企画部だったから」
そのお顔とスタイルあれば営業向きなのでは、とは言わない。
「誰にも言わず悩み続けてたんだけど、3年目になるタイミングで北山が話しかけてきてさ。お前就活のとき、面接で企画部希望って言ってなかった？って。記憶力怖くない？」
『…こわいです』
「んふふ、でね、まだ企画部行きたいなら上司に言いに行こうとか言い出して。無理だよって言う俺を無視して、北山が勝手に直談判。…で、今は企画部で働けてる」
やらない後悔よりやった後悔、よく北山が言ってるよって藤ヶ谷先輩は言った。
北山先輩が努力してるのなんてすぐに気が付いた。でも天性のものを持った人が努力なんて更にしたら、私みたいな努力で持ち上がった奴は勝ち目はない。……こんなの、妬みだ。
私の成績に対して嫌な態度を取ってくるやつと、同じことをしてるって何で気が付かなかったんだろう私。
「ほらもう仕事終わり」
『あっ、』
「北山と宮田と飲み行っておいで」
『…はい、』
喜ぶと思うよって藤ヶ谷先輩は微笑む。
藤ヶ谷先輩が教えてくれた居酒屋に行くと(何で知ってるの怖い)、何故か元気な宮田先輩と項垂れてる北山先輩が目に入る。…さっきは逆じゃなかった？
「北やん！Aちゃん！」
「え！は！？」
ガバッと顔を上げて、なんで！と先輩は叫ぶ。
私に嫌われてると落ち込んでいた北山先輩の話はまた今度。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナナシ(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます🐿お題いただいてからお時間かかってしまいました😿そこまでドンピシャとは…❕嬉しい限りです♪こちらこそ素敵なお題、ありがとうございました🙆🏻♀️ (2022年5月18日 21時) (
レス) id: 18aa49fd4f (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - ナナシさん最高じゃないですか🥰玉森くんの同期が二階堂くんなのも北山先輩が煙草吸ってるのもわたしが脳内で思い描いてた通りでびっくりしております🥺お題を丸投げしちゃったのに素敵なお話書いてくださって感謝です🫶🏻 (2022年5月17日 22時) (レス) @page5 id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナナシ | 作成日時：2022年5月3日 21時
