雑談 ページ10
そんな私達を見て、微笑む四井さんと九子さん。
こんな日々を繰り返していて、本当に誰かが……いなくなったり、するのだろうか。
「仲間って感じがしていいな、4人は…同じ中学か?」
滝十君の問いに、思わず4人で顔を見合わせる。七瀬とは同じ中学校だけど、2人とは出会って僅か2か月だ。ついでに、三河さんとは仲良くなって4日だ。
同じ中学校に見える程、私達はちゃんと"仲間"になれているんだろうか。わかりやすく喜ぶことが出来る程無垢では無いけど、なんだかちょっと嬉しいや。
「七瀬君とAさんは同じ中学校で、俺と三河さんはばらばらだよ。」
「そうか、意外だね。そういえば、それぞれ同じ中学校の人はどれくらいいるのかな?」
千山君が挙手を仰ぐと、数人が手を上げた。
嗚呼、久しく皆で雑談をしているんだ。何気無いことで笑い合うことの幸せさを実感出来た、という面ではちょっとこのゲームに感謝しなくてはいけないかも知れない。
「僕は清人と同じ中学校、七瀬君は伍島さんと同じ中学校…ということは、八久君は一野さんと同じ中学校かい?」
2人は頷き、一瞬顔を見合わせた後視線を戻した。成る程…初めて知った。
特に仲の良い素振りも無いし…中学時代は1度も同じクラスになったことが無かったような間柄だろうか。
「それにしても珍しいね、12人中3組も同じ中学校だった人がいるなんて。」
「確かに…私も運命共同体が欲しいものだ。」
四井さんと九子さんの会話は、いつも私達を和ませる。
「皆は、中学校の時どんな感じだったの…?」
億田君が、珍しく話題を提示する。
「珍しいね、清人。」
「いや、まぁ…僕もたまには混ざりたいなぁ…なんて…」
微笑ましい、幼馴染みの会話という感じがする。見た目で簡単にわかる訳では無いものの、阿吽の呼吸や暖かみのある雰囲気がどことなく感じ取れるのだ。
それにしても、皆が中学校の時のことか。詮索する訳では無いけど、少なからず興味はある。
私は中学校の時…まぁ、面白味の無いことに今とあまり変わらない。
そんな下らないことを考えている内に、「誰から話すー?」なんて浮き足立ったような雰囲気が漂い始めている。
自分は隙を見て話すとして、今はゆっくりと皆の話に耳を傾けよう。
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