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信用 ページ13

「にしてもさ、2人を利用してる感否めないよね…六原」

 …それは薄々思う。六原君は、"信用"より"実力"を優先してる気がする。

「そりゃあね。はっきりそう言われた」
「『しっかり裏切れよ、俺は実力至上主義だから』って…怖…怖い…実力無いと殺されそ」
「やめな」

 怯えるだけだから、とまたへらへら笑う千山君。

「でも、そんな情報流しちゃ駄目じゃ?」
「あぁぁあぁあ…! 」
「落ち着け清人。決めただろ、好きなようにやるって」

 真剣だ。…千山君は強い。

「李紅…そう、だね…」
「六原に刃向かってるわけじゃない。僕達が刃向かってるのは、あのサイコパスだ」

 その考え方は…新しい。でも、確かにそうだ。

「…私達、違うチームなのに敵意が全然感じられない。だから…少しは信じていいよね?」

 四井さん_

「そうだね。裏切られる可能性より、裏切られない可能性を信じよう」

 私達は、信じ合う言葉を交わした。
 …千山君と億田君には申し訳ない。絶対に酷いことはしないと誓おう。
 いつ裏切られるかわからないけど、疑うのは推理の時間だけでいい。



 情報を取得できたことに感謝して、私は自室に戻った。3人は「そう気張らないで」と嬉しい言葉をくれた。
 彼らは、私を裏切るかもしれない。でも、考えすぎは疲れてしまう。ちょっと休もう。

「はぁぁぁ…」

 …にしても、することがない。
 かえって休憩しすぎかも。そんなことを思いながらも、私は眠りに就いた。



(ん…)

 誰かに頭を触られている。
 部屋に鍵はない。無防備ではいけないのに。
 …今起きたら、証拠隠滅のため襲われる?危害を加えられれば、チームに関わる。スマホを持っているのはチームで私だけ…
 さりげなく起きる予兆を見せて、この人が逃げる時間を設ければ…!

「ん…」

 逃げろ、逃げるんだこの人…!

「Aさん…」

 …この声。

「弐筱、く…?」
「…寝言?」

 つい、また目を瞑ってしまう。寝言に仕立てた方が身のため…
 いや、なぜ弐筱君が私の部屋に?

「無防備じゃ駄目、なのにな…」

 …近い。

「ん…あ、弐筱君?どうしたの?」

 寝返りで上手く交わし、いかにも今起きたように振る舞う。

「嗚呼、夕飯の放送あったよ。一緒に行こうとしたけど返事がないから…ごめんね?」
「…今、何しようとしてた?」

 明らかに、近かった。弐筱君のことだから、何か理由はあるはずだけど。

「…何も?ちょっと見てただけだよ。ほら、行こう」

 今の距離が、"ちょっと見てただけ"とは…思えない。

「どうかした?」

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設定タグ:デスゲーム , 裏切り , オリジナル   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
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キリカゲ(プロフ) - なっちさん» コメントありがとうございます…!お褒めの言葉を賜り光栄です。この小説に需要があったということに感激しました…尊敬だなんて勿体無いくらいです。ほぼ自己満足状態ですが、少しずつ続編の更新もしていきますので良かったら宜しくお願いします! (2020年12月28日 18時) (レス) id: 696f81e61f (このIDを非表示/違反報告)
なっち - 続編に行っているようなので読まれないことを承知で書きますが、この小説、とても好きです。私はこういう複雑な人間感情を書いた小説を面白いと感じるのですが、こんなに複雑で面白い感情の小説をかける作者様、尊敬します。これからも頑張ってください! (2020年12月28日 16時) (レス) id: 8cb8225128 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キリカゲ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年9月18日 22時

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