他チーム ページ12
気分転換に、共同スペースにでも行ってみようかな。
共同スペースでは、千山君と億田君がオセロをし、四井さんがソファーでくつろいでいた。
他の皆は自室だろうか。
「四井さん?」
あまりにぼんやりとしていたため、つい声をかけてしまった。
「んっ?あぁ、伍島さん。何か話さない?」
良かった、迷惑ではないようだ。
「何かって、何を?」
「うーん…そうだ。スマホ持ってる?」
驚いた、まず写真ついて聞かれると思っていた。
それにしても、スマホ? この窮地でスマホなんか取り上げられた、と思っていたけど…
(ある)
「待って、ある…! 」
充電は4%。すぐになくなってしまう。
数分電話できるかできないか…
「やっぱり?私達のチームも六原のチームも、チーム内に1人だけが4%充電が残ったスマホ持ってたの」
…じゃあ、私達のチームでは私に託されたってこと?
「ごめん、責任感じた? 大丈夫、言うて六原のチームは使い切っちゃったらしいし」
「…大丈夫じゃなくない?」
つい、皮肉な言葉が出てしまった。普段はこんなこともないのだが。
「馬鹿にしてる?それ」
オセロをしていた千山君が、瞬時にこちらに反応した。
「…いや、してない! なんかポロッと出ただけだから! 」
自分でも後悔しながら、必死に弁明する。
彼は六原君のチームだ。さっきのこともあったし、少しだけ怖い。
「そんな怒るなよ、千山君。彼女に悪意はない」
これは、80%の確率で…
「演じてるだけでしょ」
「…李紅め…」
演技だ。千山君はへらりと笑い、こちらを見た。
「言われずとも、怒ってないよ。清人と一緒にいると否応にも演技が得意になる」
…ひとまず安心しておこう。
ところで、2人は名前で呼び合っているが、幼馴染みか何かだろうか。
「千山と億田って幼馴染みなの?」
私より先に、四井さんがまさにそれを尋ねた。
「小学校からね」
「そうさ、彼は当時から変わらないよ」
また演じてる。彼は演じないと話せないのか…
「にしても、その件は本当に申し訳ないな…僕が充電を切らしてしまったし」
千山君がへらっと笑いつつ、眉をひそめて話始める。
そうだ、何か聞き出せるかも。
「六原君は怒った?」
「いや、余裕そうだったな」
「彼は自信家だからね。そしてミステリアス」
六原君…写真の件に関しても、謎が多すぎる。少しずつ解いていかなくては。
「六原君って、今のところどんな感じ?」
「六原…ただただ秀才だね」
「…なんか怖いんだよぉ…」
…急に化けの皮剥がれた。
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キリカゲ(プロフ) - なっちさん» コメントありがとうございます…!お褒めの言葉を賜り光栄です。この小説に需要があったということに感激しました…尊敬だなんて勿体無いくらいです。ほぼ自己満足状態ですが、少しずつ続編の更新もしていきますので良かったら宜しくお願いします! (2020年12月28日 18時) (レス) id: 696f81e61f (このIDを非表示/違反報告)
なっち - 続編に行っているようなので読まれないことを承知で書きますが、この小説、とても好きです。私はこういう複雑な人間感情を書いた小説を面白いと感じるのですが、こんなに複雑で面白い感情の小説をかける作者様、尊敬します。これからも頑張ってください! (2020年12月28日 16時) (レス) id: 8cb8225128 (このIDを非表示/違反報告)
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