Dating【R.F】 (ページ3)

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ガチャっと鍵を開ける音に、瞬時に現実に引き戻されて。

パタパタと玄関に向かうのは、もはや反射反応的だ。

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『おかえりなさい、淳太さん』

「ただいま」

そのままそっと私の顎を持ち上げると、優しく唇が重なって

手を洗いに行った淳太さんとは反対に、部屋に戻った私は、大人しくベットに腰掛ける。

紳士な行動とは裏腹に、今日は私の残業だと教えるだけのこの行為。

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あの人＿＿淳太さんは、私の恩人であり、主人だ。

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「はは、ほんま忠実やな」

『淳太さん、そうじゃないと許さないじゃないですか』

「そりゃな」

恩人であることは間違いないし

私の髪を耳にかける手つきこそは優しくて、見た目通りの紳士そのものだけれど

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「楽しかった？シャンパンタワー」

『ええ…まあ』

「ふーん？お前ってほんまおもんないな」

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私を見下ろす目は冷え切っていて。軽蔑と侮辱の色。

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「まぁ、せいぜい俺のために可愛く啼くことやな」

お財布から悠々と出した10枚のお札は、彼にとっては汚いもので。

それをヒラヒラとベットの下へと舞わして、にやりと口角を上げる。

…………この人はまるで、悪魔だ。

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