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彼の撫で方には癖があって、何度も何度もしつこく後頭部を撫でるので、俺は無性に腹が立って手を払いのけた。


蓮「髪のセットが崩れるのでやめてください!」


翔太「なんだよもう、焦げたベーコンみたいにカリカリじゃんか。それで?」


翔太さんはニヤリと口元を緩ませ、軽く首を傾げて俺に答えを促した。


彼は楽しいオモチャを見つけたような悪戯っ子のような表情を浮かべている。


翔太「俺が納得するとでも?お前は俺の亮平とどこまでいったの?まさか、何もしてないとは言わせないよ?」


そう言って彼は後ずさる俺との距離をジリジリと縮め、ロッカーの壁に追い詰めた。


俺の背中が当たり、バンと金属製のロッカーが音を立てる。


俺は怖くなって無意識に乾いた唇を舐めて、嚙みしめた。


翔太「亮平は手が早いからね。キスはしてるんじゃない?」


蓮「……は?」


翔太「ね?図星でしょ?」


俺は嘘がつけない男だ。


蓮「はい……」


俺は翔太さんの問いに素直に頷いた。


蓮「キスはしましたよ。それがあなたと何か関係が?」


これ以上揶揄ないでくれ、という気持ちを込め、俺が翔太さんの綺麗な眼を睨みつけると、彼はおどけるように眉をクイッと持ち上げた。


翔太「いやいや、関係大有りだし。ただ聞きたかっただけってのもある。」


そう言って彼は呆気なく俺から離れる。


俺は漸く詰まっていた息を吐き出せた。


心臓がドキドキとやたら煩い。



翔太「俺と亮平は運命共同体でソウルメイトだから、アイツのことはなんでも知っておきたいんだ。アイツの彼氏については特にね?」


蓮「……」


翔太「あーっと、楽しい恋バナはこれまでにして、準備が終わったら今日の教室の準備手伝ってもらっていいかな?倉庫にある画材を運び出してほしいんだ。」


翔太さんは俺の返事を聞かずに機嫌良さそうに、ロッカールームを出ていった。


一方、一人部屋に残された俺は複雑な面持ちで、立ち尽くしていた。

 
俺は亮平と翔太さんの関係もそうだが、それよりも翔太さんの言っていた亮平への評価がどうにも気になった。


翔太『亮平は手が早いからね。キスはしてるんじゃない?』







―― それは、まるで亮平が頻繁に誰かとそういう行為をしているみたいな言い方だった。






そして俺も数多の人間の内の一人であるような。


そして、自分は亮平の特別なんだ、そんなニュアンスにも聞こえた。

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(プロフ) - まりなさん» お返事遅くなり、申し訳ありません(汗)コメントありがとうございます!本編が終わってからになりますが、リクエスト書かせていただきます。こちらこそ、これからも末永くご愛読のほど宜しくお願い致します。 (2022年1月25日 20時) (レス) id: 9f89b51e27 (このIDを非表示/違反報告)
まりな - 初めまして、雛さんの作品をいつも楽しみに読んでいます!リクエストなのですが、このお話の中に出てくる登場人物の過去編や未来編、だてさくメイン編も読んでみたいです!宜しければ書いてくださると嬉しいです! (2022年1月22日 13時) (レス) id: 4c6ff4de06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年9月19日 20時

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