夢々理想戦争

理想5 ページ5

「一次審査通過、おめでとーっ！！」


犬のしっぽが見えてきそうな人が、
一次審査通過とかいう謎の言葉を添えて歓迎してくれた。
この人が、一人だけの部員の人だと思う。

「………は、はぁ。」

「さぁさ！次は最終審査だよーっ！！
早く着替えてきてねーっ！」


ぐいぐいと押され、更衣室へ押し込められる。
近くには、真新しい胴着。
ちょっと無理矢理感はあるけれども…


「………よし、やりますか…！！」


胴着を手にとった。
＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿


「…っぷはぁ…！強いね君！！！」


とか言いつつ、ちゃっかり勝っている人。
汗を流しながら笑顔を向けて、爽やかに言う。

…犬だ。


「…あなたも、強いですね…。」


恨みったらしく言っても、全く気がつく様子はなく、
ため息しか出てこない。


「んー…紅先生ーっ！この子、合格でいーっスよね？！！」

「あ？お前が決めろって言っただろ？
そんなことも決めれないのか？」


完璧に挑発してる。
それでも、あははーっと呑気に笑っているあたり、
この人は案外すごい人なのかも？


「えっとー…最終審査、合格おめでとーっ！
剣道部部長の光宮志乃でーっス！！」

「…あ、はい。桜木桜花です。よろしくお願いします。」


……元気な部長さんだな…
…それに、部活中はかっこよかったし。

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