夢々理想戦争

理想3 ページ3

４つの軍に別れて、定期的に生徒同士で戦う…行事…のようなものらしい。

戦争が学校行事だなんて。


「……裏世界も物騒ですねー…。」


なんて。話の流れからして関係があるのは確かだけど、
敢えて他人事のように言う。


「…そうですね。とても、物騒です。
ですが、貴女も我が風林軍の一員なんですよ？」


脳に、電流が流れたような錯覚を覚えた。


＿＿＿＿＿＿＿＿



「さて、それでは皆さん。
今日、新しい子が裏世界へ来ましたー！」


にこやかに手を叩く風斗さん。
…こういうの裏世界にもあるんだ…


…自己紹介ほど苦痛なものはない。


自己紹介でいい思いをしたことなんて、ただの一つもないんだから。




…………でも、ここは裏世界。
理想通りに生きれるんでしょう？



……………………なら＿＿＿＿。









自分をだしたって、愛されるはず。



「………ふぅ。


はじめまして。桜木桜花って言います！
えっと…好きなものは和菓子で、嫌いなものは辛いものと酸っぱいものです！
……あ、あと、私のことは好きに呼んでください！
……よ、よろしくお願いします…！！」


深々と頭を下げ、精一杯気持ちを伝える。
…若干肩が震えている気もする。

数秒の沈黙。

あ、私裏世界でも相手にされないのか。
…そう思った。……でも。



「よろしくねー！」
「桜ちゃんよろしくー！」


そんな声がそこらじゅうで飛び交う。
びっくりして顔をあげれば、みんな笑顔で拍手をしている。


「(……裏世界って、意外といい…？)」


そんな事を考えた、今日この頃。

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