64話 ページ14
gr-side
「帰ってきてたんやね！2人とも！」
第三者からいきなり声をかけられ驚く。
声のする方を見ると、俺らがガキだった頃に世話になったおばさんが居た。
「お久しぶりです。」
すっと俺たちは頭を下げる。
えぇ。と嬉しそうな声でおばさんは返事をする。
そんなおばさんにAはどこにいるか？と聞くと、笑顔だったおばさんの顔がだんだんと曇っていくのが分かった。
「あの子ならね、ちょうど昨日村から出て行ったわ。」
は？
おばさんの言葉が理解できずに言葉が詰まる。
なにも言えない俺らを見かねたおばさんはこう続けた。
「ずっとこの村で薬師をしてくれてたんよ。でもね1週間前くらいに怪我をした男性の面倒を見ていて…その男性と昨日出て行ってしまったんよ。」
言葉が出ない俺の代わりにトントンが「そうですか…」と小さく返事をする。
おばさんは俺らの雰囲気を察したのか、「じゃあね。何かあったら家に来てな。」そう言って足早に去って行った。
ギュッと握りしめていた手から血が出ていたことに気づく。
なんで…？
「……ハッ、なんでか分かるやろ。俺らの期待でしかなかったやろ。あいつのこと放っておいて、待っていてくれとしか言わないで消えて…」
どうしてだ。と疑問を持った自分に自問自答をする。
トントンは俺の言葉を聞くと、近くに生えていた木に思い切り拳を打ちつけた。
「…宿に戻るぞ。」
俺の言葉にバッと顔を上げるトントン。
その顔からは怒りが伝わってきた。
「何言って、！あいつのこと諦められるんか！お前は！！」
あきらめる…？
「ふざけんな！諦められるわけないやろ！…城にはこんな時間だ。戻るのは懸命じゃない。」
諦められるわけないだろ。
Aは俺らを待っていて笑顔で迎えてくれるはずだと思い、その為だけに今までやってきた。
「…嫌われてもいい。いや、もう嫌われてるかもしれへん。それでもあいつは俺らのや。」
あいつに笑っていてほしい。そう願っている俺の心にもう一度自問自答する。
…笑顔でいてほしい？
そんな優しいものじゃない。あいつは俺らの、俺のだ。
「その男を殺してでも奪ってやる。」
そう俺が言った瞬間、俺の中のAの姿から笑顔が消えたことに俺は気づかないふりをした。
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成瀬 - わあああああああああ！更新嬉しいです！でも更新ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されるだけで嬉しいので( ´ω`)これからも頑張ってください!楽しみにしてます！! (2019年8月18日 22時) (
レス) id: 1c8c0eeede (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 更新をとても楽しみにしていました! 私の大好きな推しが幼なじみの設定で、見つけた途端に発狂してしまいました… これからも楽しみにしています! 頑張ってください! (2019年8月18日 2時) (レス) id: ed8d61f0bf (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - ^黒ω猫^様、そらまめ様》感想ありがとうございます。完全な不定期更新で申し訳ございません。今後も読んで頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。 (2019年8月17日 21時) (レス) id: ffa34a5a29 (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - すっごく面白く一気に読んでしまいました！ 更新頑張ってください！ (2019年7月22日 14時) (レス) id: 04a77244fd (このIDを非表示/違反報告)
^黒ω猫^ - 面白いですね。魔女系好きになりました！ (2019年6月27日 16時) (レス) id: f1451596cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンク | 作成日時：2019年1月13日 11時
