21話 ページ21
‐‐side
ロボロからそのような報告を受けたとトントンから報告を受ける。
あいつ、俺らが探していた間に仲間になるようなやつを探していたのか？
自分勝手に動きやがってと舌打ちをしたが、まぁ生きていたならいいだろうと口角を上げた。
その顔を見たトントンは、次の戦争の書類がまとまったから目を通しておいてくれと言って
俺のデスクに書類を載せて部屋から出て行った。
○○国との戦争が近づいている。あの国を破れば、やっとあいつを迎えに行ける。
あいつが安心して過ごせるように、笑っていてくれるように。それを一番の目標にして今まで頑張ってきた。
あいつは待っていてくれているのだろうか。10年も待たせた俺らのことを。泣いてはいないだろうか。
村を出たとき、泣いているあいつのそばにいたくて仕方がなかった。それはトントンも同じようで、二人して自分の手を血が滲むほど握りしめた。
もうすぐ迎えに行く。だから待っていてくれ。そう思いながら机の上に置いてある○○国の情報に目を通した。
さぁ、今はこの戦争に集中しろ。目を瞑り、自分の中から彼女の笑顔に蓋をして再び目を開けた。
‐‐side
自分の机の上にたまっている書類をみてため息を吐いた。
戦争をすると言っても書類の数が減るわけではない。むしろ増えるのだ。
それでも戦争を止める気にはなれない。○○国に勝てば、堂々と彼女を迎えに行けるのだ。
昔から泣き虫で、俺らのそばを離れなかった。それがたまらなく優越感に浸れた。
俺らのそばにいる時は笑顔で、可愛くて仕方なかった。
いつしか妹のように見ていた彼女を一人の女として見ていた。それはグルッペンも同じだろう。
だから村を出るとき、彼女の顔を見て決心が揺らぎそうになった。でも隣のグルさんが耐えてるのに自分だけわがままを言うなんて出来なかった。
待っていてくれ。生きていてくれ。迎えに行く。全て俺たちのわがままでしかない。
それでも願わずには居られなかった。
ふっと自分のデスクに意識を戻して、前を向く。あぁ、可愛い声で「トンちゃん」って呼ばれたら
こんな書類すぐに終わらせるのに。ないものねだりをした自分に苦笑をし、書類の提出が遅れている仲間の元に向かう。
今は、集中するんだ。彼女に早く会うために。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 887人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リンク(プロフ) - シケ様 感想ありがとうございます。面白いと感じて頂けて幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。 (2019年1月12日 19時) (
レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - うぃ様 こんにちは。お褒めの言葉ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。 (2019年1月12日 19時) (レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - おじゅん様 初めまして。更新が遅くなってしまい申し訳ございません。たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます。これからも変則的ではありますが更新してまいります。どうぞよろしくお願い致します。 (2019年1月12日 19時) (レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
シケ - ちょー面白いです！続き待っております(｡･ω･｡) (2018年10月14日 17時) (レス) id: cfbdc17c2a (このIDを非表示/違反報告)
うぃ - ちわぁっす！おもしろいですね！続き待ってます！ (2018年8月31日 19時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リンク | 作成日時：2018年6月18日 16時
