＃Dragon Fang...47 ページ49
・
「...それを言う為だけにここに来たのか？なら帰るぞ」
「まさか。そうピリピリしてると、せっかくの良いお酒、不味くなるよ？」
「.......ふん」
＿＿＿＿確かに、光忠が持ってきた酒は旨かった。
なかなかの代物だ。
勝手に継ぎ足しつつ、話の続きを催促する。
「ま、別に大した事でもないんだけどね...」
「何だ、鬱陶しい。要件はさっさと言え」
未だ言葉を濁す光忠。
苛立ちが募る前に、早く口を開けと。
そう言うとさすがに彼も怒りそうなので、大倶利伽羅は黙って待った。
「...蒼ちゃん、楽しそうだなー、って」
「...は？」
「正直、ちょっと嫉妬しちゃうんだよ。蒼ちゃん本人に対してもそうだけど、なんて言うか...。あの笑顔を、僕たちと一緒に居る時に、もっといっぱい見せてほしいな、とか、そんな事を考えてたんだけど」
いやー、我ながら僕、カッコ悪い事言ってるなぁ、云々。
そんなふうに呟きながら、大倶利伽羅に勝るとも劣らない速さで、盃の中身を空にする。
＿＿＿＿嫉妬、とは。
少し違う気もしなくはないが、彼の言葉が、妙にすとんと、腑に落ちた。
どことなく、蒼天竜から離れた時から感じていた虚無感。
あいつが楽しいのならそれでいいと思う反面、
あの輪の中から、今すぐにでも蒼を引っこ抜きたい。
...そう思っている自分も、どこかにいる。
「伽羅ちゃんはどう思う？君に聞くのもその、...見当違いかもしれないけど」
「俺は、」
＿＿＿＿俺は。
...分からない。ぴったりな言葉が、頭に出てこない。
光忠の言う「嫉妬」という感情が、この心の疼きにあっているのかどうかは、まだ。
ただ、一つ。
今日の蒼天竜と光忠に関して、言えることがある。
「...俺は、今日のお前が「"僕の"蒼ちゃん」と散々言っていたことに疑問を覚えただけだ」
「＿＿＿＿え？」
「あいつは誰の物でもない。違うか？...特に、お前がそれを言うとどうにも苛ついて仕方ない。"あいつの隣にいるのは、俺だ"」
言いたい事は言うだけ言うのが大倶利伽羅である。
呆然としている光忠には目もくれず、
カチャ、とすっかり空になったお猪口を置き。
竜王は悠々と、その場を後にしたのだった。
「...伽羅ちゃん......、それ蒼ちゃんに対するすっごい殺し文句だよ...」
勘の良さは、誰にも負けない。
この時点で光忠は、大倶利伽羅本人でさえ気づいていない蒼天竜に対する感情を、
敏感に察する事になる＿＿＿。
To Be Continued….
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 438人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊紫苑＊(プロフ) - 瑠色さん» ご指摘していただきありがとうございました！早急に直しました。おっしゃる通りですね...以後気を付けますが、もしまたこのような事がありましたら、遠慮なくコメントしてください！ (2019年2月18日 19時) (
レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠色(プロフ) - 失礼します。そねさんは長曽祢虎徹です。蜂須賀さんも虎「徹」です。
細かいですが、銘は大切なものなので、気をつけてください。 (2019年2月18日 1時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊ - 月夜桜さん» コメントありがとうございます！刀剣乱舞の伊達組メインのお話って意外と少ないですよね〜。作者による作者の為の俺得小説とはまさにこれですが、それでも伊達組沼に共感してくださる方がいて、とっても嬉しいです(≧▽≦)頑張ります！ (2018年9月27日 6時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜 - すごい面白かったです!伊達組メインとか俺得!これからも更新楽しみにしてます! (2018年9月25日 19時) (レス) id: d530b8b740 (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - 喧嘩上手の戦上手の…………喧嘩はわからんが、うちは薬研が一番レベル高いよ。 (2018年9月4日 19時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2018年8月18日 20時
