【刀剣乱舞】伊達の竜、蒼穹を舞え！壱【大倶利伽羅】

＃Dragon Fang...38 ページ40

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「...夜になると真夏でも冷える。取りあえず中に入れ」

『......ん？ちょっと待て、何笑ってんだお前？』

「...お前には関係ない」

『は？そりゃないだろ。私に関係なくて何に関係あるんだ！』

「いいから」





半ば強引に押し通して、中に連れ込む。

しばらく己の表情筋が綻(ほころ)ぶのを否めなかったため、蒼天竜の不信感をさらに煽ることになるのだが＿＿＿＿。



『なぁ、お前そういうところだって！』と執拗に問い質してくる蒼竜を適当にあしらいながら、大倶利伽羅の思考は別のところにあった。

人の体を得て、初めて感じる心のさざ波。

それが何を表しているのか、この本丸の中でもギリギリ古株に数えられる大倶利伽羅にさえ、分からなかった。


だが、一つ確かな事がある。




(...こいつのああいう顔を見れるのなら、)




...鍛錬に付き合ってやるのも、悪くはないかもしれない。

＿＿＿そう思っている自分にもまた驚きながら、大倶利伽羅は何とか話を逸らそうと奮闘するのだった。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿

蒼天竜side




「かーらちゃん、あーおちゃん！食事の準備が整ったから、迎えに来たよ！」




意味不明な笑みを必死でこらえようとしている伽羅を見るのは、
私であろうが誰であろうが、中々体験できることではない。

こちらも躍起になって、何とかその理由を探り出そうとしていたのだが＿＿＿＿。

答えを聞くより先に、言葉通り「迎え」が来たらしい。


スパンッ！
子気味の良い音を上げて、襖が盛大に開かれた。


光忠である。


何だか妙に張り切っているように見えるのは、私の思い違い、...なんだろうか。

こちらが口に出すより先に、光忠の方が首を傾げた。





「あれ、何笑ってるの伽羅ちゃん？君がそんな顔するなんて珍しいね」

「...別に、何もない」

『私が散々聞いてもずっとこの調子なんだ、まったく、素直に教えてくれりゃいいものを...』

「ふーん。ふふ、そうなんだぁ？」

『...？』





意味ありげに頷く光忠。
それを見て、伽羅が聞こえよがしに舌打ちをする。

...ん？もしかして分かってないの私だけか？

二人して、一体何が言いたいのか...。


どう暴こうか考えようとも思ったが、何やら楽し気な光忠の手前、止めておくことにする。






「じゃあ、早速行こうか。みんなが君たちの事、待ってるよ！」

「『..."みんな"？』」





私は頭上に「？」を浮かべただけで済んだが、伽羅はその言葉に瞬時に凍りついた。


...ふむ。

何やら、partyの予感である。




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