【刀剣乱舞】伊達の竜、蒼穹を舞え！壱【大倶利伽羅】

＃Dragon Fang...25 ページ27

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『いっ...！？』

「こら姉上、そう動いてはもっとしみるぞ？」

『や、でもちょっと消毒液かけ過ぎじゃないか長光！？...うっ！』

「けがをしたのならまず治さなくては。戦いの掟ではないか」




ついさっき顔を合わせたばかりの小豆長光が、遠慮なく傷口に消毒液をぶっかける。
その度に悲鳴を我慢せねばならず、伽羅との試合よりも、精神的に疲弊することになった。


私を鍛刀した景秀が、「長船派の祖である光忠の弟である」というのは一種の諸説だ。

そうと決まった訳ではないのに、ついさっきまで伽羅を冷やかしていた小竜と大般若も、私のことを「姉さん」、「姉上」と呼ぶ。


私が長船派である事には、間違いないんだろうが...。

そこまで言われると、少々恥ずかしいのは事実である。
(なので、燭台切の方の光忠に、勝手に妹扱いされるのは癪に障る←)



ちなみに...。
＿＿＿手合わせ最後の一撃は、相殺で終わった。

伽羅も、私の攻撃をろくに防ごうとせずに真っ正面から向かった来たため...。

攻撃は最大の防御。
今回は、互いにその言葉に救われる事になった。





「伽羅ちゃん...、僕の蒼ちゃんに怪我させたからには覚悟しておいてよ、ねっ！！」

「がッ！？」

「おい光坊、伽羅坊の腕を包帯で引き千切ろうとするのをやめろ！打撃７３の威力は誰だって怖い！」

「やだなぁ鶴さん、僕はそんなつもりじゃないよ！...ね？伽羅ちゃんッ！！」





すでに息も絶え絶えの伽羅。
むしろ手当てされる前の方が、意識がはっきりしていたような...。

燭台切光忠、恐ろしいヤツである。


しかしさすがは長船のお父さん方、手当て"その物"は完璧以外の何物でもなかった。


ピッタリと巻かれた包帯。

刀の事だから、これも数日経てばすぐに外せるようになるという。




「それでも、ただの手合わせでここまでボロボロになる事は滅多にないよ。演練でもないのに。二人とも、無茶をしないって選択肢はなかったのかい？」

「『まさか』」



真顔で答える二つの声。



「こいつが先に喧嘩を売ってきたんだ。...買わない筋は無いだろう」

『はっ、私の口車に勝手にほいほい乗ってきたのはそっちじゃないか！試合でも押されてた癖に、それは一体どの口が言ってんだ、あ"ぁ？』

「ふん、負け犬のほえ面が。後半は俺が展開を握っていたぞ」

『喚いてないで素直に負けを認めたらどうだ？竜王さんよ』




再び、バチバチと視線の間に火花が散り始める。

互いに互いを睨み付けて＿＿＿、


...そして。



「...ふっ」

『はは、バカみてぇ！』



笑顔で、和解完了だ。



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