執事の秘密.太宰治 (リクエスト) ページ29
太宰さん執事設定です。
……
一本の糸で吊られた様な伸びた背筋。
「どうぞ」と引かれた椅子にふわりと腰を下ろす様は宛ら、「座れば牡丹」の言葉を連想させた。
「A、昨日はあまり眠れなかったの?」
「っそ、そんな事ないよ、」
「……あら、そうなの?昨晩物音がしたから、
てっきり貴女の部屋かと思ったの」
ティーカップを片手に談笑する母娘の傍らには、
薄く笑みを浮かべる、片耳に髪を掛けた長身の執事。
「太宰さん、
今日の紅茶はアップルティーかしら?」
「……ええ、そうですよ。
流石奥様、舌が優れていらっしゃいますね」
_____麗らかに差し込む陽の光が段々と陰り始めた頃、午後のお茶会はお開きとなる。
"太宰さん"と呼称された長身の執事と、何処か気疲れしたような表情を浮かべた娘は足早に自室へと向かうのだった。
*
「あーー、終わったあ…」
扉の鍵を掛け、一思いに寝台に飛び込む。
仰向けになり、蓄積した疲労に深く息を吐いていると、「お疲れ様です」と通りの良い声が降ってきて。
「姿勢の乱れ二回、笑顔の崩れも二回。
______"以前よりは"、良くなりましたね」
「機械じゃないんだからさぁ…この鬼畜執事」
そう言葉を吐けば、「嗚呼酷い!私はお嬢様の為を思っているだけなのに!」なんて執事___太宰は大袈裟に頭を抱えた。
「…それにしても、なかなか鋭いですねぇ奥様は。
昨夜の"アレ"、バレたら大変だったでしょう?」
「っ、バレたら困るのは太宰でしょ、」
突然何時もより低い声で云うモノだから、
不意に昨晩の事が瞼の裏に蘇ってきて。
じわりと熱くなる頬を隠そうと、
俯せになろうとした、その時______
「さあ、如何だろうね、」
ギシリ、妖しい音が部屋に響く。
ハッとした時にはもう遅く、
目の前にはネクタイに手をかける太宰が____、
「ちょっ、と…ばか、何して…っ」
「姿勢が乱れた二回、笑顔が崩れた二回」
_____計四回分の教育、ですかね。
囁きにぞくりと震えた肩を彼が見逃す筈も無く、
整えた髪を分けられ、柔く耳朶を噛まれる。
「太宰、まって……や、…っ」
「嘘吐きですねぇ、お嬢様……、
………鍵まで掛けて、期待してたくせに」
隠す術も無くなった紅い頬を指先でなぞりながら、彼は獣の光を瞳の奥に湛えて、
「バレたくなかったら、しーっ、だよ。
_______…出来るね、A」
そのまま、視界の端でネクタイを解いた。
……
神楽総悟様、ありがとうございました!
生意気な執事.中原中也 (リクエスト)→←睨めっこ.中原中也
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落蕾 - すみません、この作品の【1】の方はパスワードを解除しないと読めなくて、ピロウ様はパスワードを表示して下さっているのですが、私の端末ではパスワードが見えないんです。どなたか、【1】のパスワードを教えて頂けないでしょうか? (7月24日 23時) (レス) id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
水希アカリ - リクエストです。ビタースウィートという曲っぽくってお願い出来ますか?エンドは、太宰さんで。昔、曲イメージは難しいと言っていましたが、元々ストーリー仕立てなので、作りやすいと思います。 (2019年7月27日 22時) (レス) id: 861eb5fa10 (このIDを非表示/違反報告)
ピロウ(プロフ) - ちーちゃんloveさん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません。入れ替わりとは身体が入れ替わる 君の○は。の様な感じでよろしいでしょうか?よろしければお答え頂きたいです。 (2019年6月14日 17時) (レス) id: aafbc19e8e (このIDを非表示/違反報告)
ピロウ(プロフ) - リンゴ雨さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません。ご丁寧にありがとうございます。ぶどうといか さんでよろしいでしょうか?リクエスト承りました、暫しお待ち頂けますと幸いです。 (2019年6月14日 17時) (レス) id: aafbc19e8e (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ雨(プロフ) - ピロウさん» ごめんなさい。名前変えてます。ちゃんと本人です (2019年5月23日 17時) (レス) id: 14f2f052aa (このIDを非表示/違反報告)
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