【短編集】うわっ...私のレート低すぎ...？【pkmn】 (ページ9)

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すぐには返事は返ってこない。彼女は表情を変えず、驚いた様子もなく僕を見つめる。

「__私、トウヤさんが好きだったから、バトルを始めたんです」

　想定してなかった返答に、一瞬頭が追いつかなかった。

「あの日、トウヤさんにバトルを教えてもらったのは、バトルに興味があったからじゃないんです。トウヤさんと話したくて、近づきたくて......だから、トウヤさんに教えてもらったんです」

　何を、彼女は言うのか。淡々と話す彼女の様子に、彼女が語る言葉を、理解したくないと思い始めてしまった。

「今は、"尊敬"してるトウヤさんに、成長した自分を見てほしいって思ってます。トウヤさんのおかげでポケモンバトルに出会えたこと、感謝してます」

　Aの言いたいことは、"もう遅い"。僕がAにバトルを出合わせたのが、良くなかったのか。でも、じゃないと、僕は......

「入れ違い、でしたね」

　ああ、確かに入れ違ってしまったらしい。

「......そうだね.....ははっ」

　なんてザマだ。笑いが漏れる。面白くはない。

「__バトル、しようか」

　元から、繋がりはバトルしか無かった。彼女に会いたいから、僕はバトルに付き合っていた。最初のうちは、逆だったみたいだが。

「......今日こそ負けませんよ。"好き"じゃなくなるくらい、バトルを勉強してきましたから」

　__もし、今日僕が負けたら、どうなる？
今までと、これからの勝敗の意味。案外、大切にするべきだったようだ。僕が重ねてきた"勝利"は、人ひとりを動かすには充分すぎたらしい。