【短編集】うわっ...私のレート低すぎ...？【pkmn】 (ページ6)

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「......違う、そんなつもりじゃ」
「すごいよねキョウヘイって。何でもどこでも上手くできるんだもん。バトルだって。もういちいち報告してくれなくていいよ。ポケモンバトル、好きだったのに、楽しかったのに、キョウヘイのせいで嫌いになったし」
「なんでっ、そんな」
「もう二度と私の前に来ないで」
　立ち上がって、その場を去ろうとする。やっと終わる、と安堵しつつ早歩きで行くも、十歩も歩かないうちに手首を掴まれる。油断してしまった。
「そんな風に見てほしくて頑張ったんじゃない」
　彼に掴まれた手首を引っ張られ、そのせいでキョウヘイの方を向く羽目になった。
「なんで頑張ったのに嫌われないといけないの？君が僕を見てくれると思って、ずっとずっと頑張ってきたのに！！」
　大声に圧倒されて、つい後ずさる。彼がそれに気づき、今度は私の肩を掴む。信じられないほど強い力で、逃げたくても逃げられない。
「君が僕を好きにならないならやめる。全部やめる。君が振り向かないなら全部意味ないのに、なんで言ってくれないの」
「......なんで、って言われても」
「そうだ、僕がチャンピオンを辞めたら、ポケモンバトルも辞めれば、嫌いにはならないよね？」
　チャンピオンという責任ある立場なのに、無責任な言葉を平気で言っている。でも彼の眼は真剣で、冗談のようには本当に見えない。
「ねえ、なんとか言ってよ。A、嫌いにならないよね」
　光がない。普段の真っ直ぐな彼からは想像もつかない程、怖い。言わないと、何をされるかわからないと思えてしまうくらい。
「......もう、嫌いなんだってば！！触らないでよっ！！」
　恐怖よりも嫌悪感の方が勝る。私は、全力で彼の手を振り解こうとする。振り解くのには成功したが、すぐにまた掴まれかける。抵抗しても、彼の力には到底敵わない。結局肩を抑えられて、無理やりベンチに座らされた。
「っ......なんなの、離してってば」
「僕はAとライバルになりたくてバトルしてたんじゃない。かっこいいって思って欲しかった、振り向いて欲しかっただけで、そんなつもりじゃない。Aが好きで、好きだからバトルも頑張ったのに......」
　私が、好きだから？私が好きだから、ポケモンバトルをやってた、それだけ？私は本気で、ずっと本気でやってきたのに、キョウヘイはそれだけ？