【短編集】うわっ...私のレート低すぎ...？【pkmn】 (ページ3)

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世話焼きの策略　カルムページ3

念願のローラースケート。流行りのローラースケート。今、風になって絶賛練習中である。そう、昔からずっと願っていた、ローラースケートで通学する夢が、ついに叶__
「あっ」
　__えたかった。ガッ、と引っかかったような、もしくはぶつかったような音が足から聞こえると同時に、体がよろめく。つまりは、石につまづいたのだ。顔面から行きそうになるのを腕で阻止するも、結局地面へ身体を思いきりぶつけることになった。
「A、大丈夫？」
　聞き覚えのありすぎる声がして、飛び起きた。いつの間にか、彼が傍にしゃがんでいる。
「か、カルム...なんでここに...」
　カルムといえば、数週間前に引っ越して行ってしまったはず。
「Aに会いに来たんだ。俺、今は旅に出てるから簡単に来れるんだよね。Aが変わってなくて安心したよ」
　カルムは優しい面があり、よく世話を焼いてくれる。同い年なのにまるで年下のように扱ってくるので、微妙な気持ちになるのだが。彼の視線が私の腕や足に行っているのは、おそらく怪我の有無を確認しているのだろう。前にもこんなことがあったからわかる。
「あはは......そうだ、カルムはローラースケートやったことある？」
「勿論。Aよりは得意だと思うけど」
「......そうだろうね！でさ、滑り方を教えて欲しいんだけど」
「アドバイスしようと思ってた所だよ。うん、怪我はないみたいだし良かった」
「そこまで気にしなくていいって」
　正直、立ち上がるのも上手くできていない。しかし滑るために、なんとか立ちあがろうとする。
「うん、体は前に傾けた方がいい。あと、立ち上がる時は立てた膝を両手で押しながら」
「...おお」
「立ち止まる時はかかとをつけてつま先を開く。気をつけた方がいいよ」
「おおー...」
　カルムの言った通りにすると、なんともスムーズで安定する。やはり自分一人での練習は無謀だったらしい。
「さっきは転んでたけど、一応少しは滑ることはできてたよね」
「え、いつから見てたの？」
「転ぶちょっと前からかな」
　そんなに長くは見られてなかったようだが、転ぶ所だけは見られたくなかった。私がため息をついている間に、彼が私と十五メートルくらいの距離を空けた。
「カルム、どうしたの？」
「目印があった方がいいだろ？ほら、俺のとこまで来てみてよ」