【短編集】うわっ...私のレート低すぎ...？【pkmn】 (ページ17)

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続きページ17

「ユウリ、チャンピオンになってたんだね」
　意を決して口を開いた。気まずいのは当事者の私もだ。
「......知らなかったの？」
「あー......この前、すれ違ったよね？その時にもしかしたらって思って調べて......」
「去年だよ、なったの」
「......そうなんだ」
「Aって、バトルの事ならなんでも詳しかったのに」
　なんで知らないの？と、言われてないのに聞こえてしまう。ああ、確かに、昔はバトルが楽しくて他地方のニュースすら追っていた。でも、正直に言うと今はそうでもない。熱が冷めたと言われたら、その通りだ。何も言えなくて、私は黙り込んでしまう。ユウリも、私の返答を待っているのか何も言わないままだ。この場でただ立ち尽くすのから逃げたくて、とりあえず手に持っていたバッジをしまった。
「バッジ、持ってないでしょ」
　ユウリが言った。一瞬わからなかったが、さっきの私を思い出して言葉の意味を理解できた。思えば、ユウリはワイルドエリアから戻ってきたからここに居るんだ。
「......そうだね。だから、私戻るね」
「送るよ」
　意外な事を言われて戸惑った。しかし、戸惑っている私をよそにユウリは駅の方へ歩き始めた。私は「ありがとう」と言って、ついて行った。

　私はユウリと相席で移動した。一緒に乗ったのだから当然といえば当然だが、やっぱり気まずかった。机を挟んで向かいあうが、一言も喋らない。私は目的地も無かったので、いつ降りるかをずっと悩んでいた。二駅分空けて降りれば不自然じゃないか、などと変な事を考えて、結局私はその通りに降りた。彼女の目的地はまだ先だったようで、私は「じゃあね」と言って立ち上がった。
「またね」
　彼女は目を合わせて言った。それがなんだか記憶に焼きついてしまって、帰りの飛行機でずっと彼女のことを考える羽目になった。