弟が白い髪を切った件。 (ページ6)

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４. ページ6

「あ、A。」

『？何でしょうか？』
廊下で呼び止められて思わず振り返る。

「すまないけどノートを運ぶのを手伝ってくれないかい？ボクだけでは少し無理があってね…」

教室から顔を出していた前にも会った赤い髪の男の子が、指している先を目で追うと3クラス分はあろうかというノートの山が目に入った。

そりゃ無理だろうね。
逆にこれ一度でも運べると思ったの？1人で？

ありえねぇ…

『ええ…わかりました。』僕は量の多い方を持ち上げる。

「あっ、そっちは重い方だよ。ボクが手伝わせているんだ、ボクが持つからキミは軽い方を…」

『いえ、良いんです。僕は獣人ですから人よりは力持ちなんですよ。それに僕がしたくてしている事です。気になさらないでください。』

「……キミ、優しいけれどその堅苦しい話し方はどうにかならないのかい。前回軽くなったはずだろう。」

ジトっとした目で見られるが、僕は困った顔で微笑みを浮かべることしかできない。
『そう言われましても…』

「仕方ないね。」

その言葉で僕はホッと胸を下ろした。
続けられた、リドルの言葉を聞くまでは。

「ボクと話す時だけでも敬語が抜けるように手伝ってあげるよ。」

この微笑みから悪巧みをしているというオーラが見える所は彼もこの学園に劣らないキャラ性だなと思わされる。

キャラが濃いんだよ。
ついさっきも青い燃えてる火に足が生えて歩いてるの見たし。

その時は『ついに炎も歩く時代かぁー』なんて1人で呟いてたけど今考えたら流石に気付くわ。

何で足生えてんのよ。突然変異か。

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「たくさんあるからな。いっぱい食べて行けよ。」
『ありがとう。』

なぜか兄さんより兄らしく自然に僕を撫でて笑うとトレイは椅子に座った。
…ちなみに、ここはハーツラビュル寮の談話室……、だがリドルが来た直後人が半分くらい減ったの気になるんだが。

なに君、絶対王政でもしてんの？

「それでなー、寮長ったら「ボクが1番正しいんだーー！！！」ってオーバーブロット起こしてさ！それをオレたちが止めたんだぜ？すごくね？オレら。」
合ってんじゃん。

『ええ。はい。めっちゃすごいです』
「そう言うお前はめっちゃ棒読みだけどな。」

さっきから絡んでくるこっちの彼はエース。
ツッコミが的確でたまにガチで笑わせられる。