白い蝶 ___ 。

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『…お花。好きなの？』




伊野尾「うん？どうして？」





どうして…って、





『ここのお花お世話してるんでしょ？』





伊野尾「ああ。育てるのは好きだよ。」





育てるの"は"？





伊野尾「あ、そういうと少し語弊があるかな。」





『…？』





伊野尾「花は好きだけど、


俺の場合少し違うんだ。」





そういうと徐ろに花壇に近寄り、



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ブチ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿っ





『ちょ、何して…！』





…伊野尾先輩は思い切り茎を折った。






伊野尾「普通ならさ。



花を育てて わあ、綺麗だね。 って、



飾ったり人に送ったりするものだと思うけど。」



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そして、どこから取り出したのか



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ジョキジョキ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿…





『…っ。』





伊野尾「俺は綺麗に咲いた花をこうやって



壊すのが好きなんだ。」






にこやかにそういいながら花にハサミを入れていく






伊野尾「せっかく綺麗に咲いてもさ…



いずれは枯れちゃうでしょ。



だったらそうなる前に俺が壊してやろうと思って」






『でも、花をそのままの見た目で



保管する方法はいくらでも…。』







伊野尾「それじゃ意味ないの。」






ジャキ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿…






最後に花の額を茎から切り落として




ゆっくりとこっちを向いた…。




やっぱり、この人の考えていることはわからない。



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伊野尾「用がない時は


あまり外に出るなって言われたでしょ？」



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いつものようにフワフワして



いつものように私とはどこか違う場所にいる。



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『…外の空気が吸いたくなっただけだから。』






伊野尾「じゃあもう十分に吸ったでしょ。



ほら、部屋に戻るよ。」





そう言いながら手を差し出される。




…手。綺麗だな。





伊野尾「このこと、みんなに言って欲しくない？」





『このこと？』





伊野尾「Aが、


脱走のためにうろうろしてたこと。」





『だから、脱走なんか 「まあ俺は。」 …。』





伊野尾「言わないでっていわれても言うけどね。」





またあの冷たい笑顔だ…





伊野尾「逃がしてあげるつもりは無いよ。」

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