白い蝶 ___ 。

42 ページ42

Aside





『ん〜…。』





とりあえずぐるっと一周まわってみたけど



綺麗に塀で囲まれてるなあ。





それにしても広い。疲れた…。



思わず花壇の前にしゃがみこむ。



あ、ここのお花綺麗。





『なんかこう隠し扉とかないのかな…。』





「あるよ？」




『へ、？』





伊野尾「あるよ、隠し扉。



俺が作ったの！ほらあそこ。



まあ隠し扉だから



見た感じじゃわかんないけどね。」







びっ、くりしたあ…。神出鬼没だな…。





…ていうかそれ、私に教えていいの？






伊野尾「まあでも残念ながら



目には見えない電線が張ってあって、



外すためにはパスワードが必要なの。



その電線に当たったら即死だから



脱走には向かないね？」






『…やだな。脱走なんてしないよ？』






伊野尾「…ふうん？」






『ここのお花綺麗だね。』






伊野尾「うん。俺と圭人でお世話してるの。」






話をそらすとそれ以上は追求してこない。




伊野尾先輩は普段なんていうかフワフワしてるけど




鋭くて冷たい一面もあるし




何を考えているのか分からない。





『伊野尾先輩は…( ﾎﾞｿ )』



.



.



.



.




気をつけないと


.



.



.



.



.



『強敵だなあ…。』



.



.



.



.



.



今だって聞こえてたはずなのに




私の目を見て微笑むだけ。

43→←41

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す