無双の刃【鬼滅の刃】

一三振り ページ14

【隠の剣士】

ー千寿郎ー


兄上に差し入れをしたあとのこと

森の中

隠の方が一人で呼吸の修行をされていました。

何かの間違いでは？？

隠とは

刀を握れず

呼吸を体得出来なかった者たちの下る先。


そう認識していた僕を嘲笑うように

その方は

僕の知らない呼吸で刀を振るっていた。

蛍の光が現れ

まだ昼間なのに流星が流れだし

光の矢が雲を貫いた。

最後の方は眩しくて

暫く目が開けられなかったけれど

ようやく開いたと思ったら

その方が慌てて駆け寄ってきました。



『そこの君！！大丈夫なのですかッ！？』


「え？？」


『眩しかったでしょう！？

具合は悪くないですか！？

視界霞んでたりはしてませんかッ！？』


「だ、大丈夫ですよ？？

確かに眩しかったですが…」


『ﾎｯ)よかったッ…』



顔は隠されててわかりませんが

声の高さで少女のものであるとわかって

なおのこと驚愕した。

背丈も、僕のより幾分か低い。



「あの、さっきの技はやはり貴女が？」


『え、えっと…』


「凄いッ…

隠で呼吸を扱ってみせる方がいたなんて！！

けど呼吸を使えるならなぜ隠に？？」


『…こないだまでは普通に剣士やってたのです

音柱様に足手まといだと言われて

他の隊士たちからの評判も悪かったので

やむを得ず…』


「そんなッ」



あんまりだ。
実力は伴っているのに

評価してもらえないなんて…

少なくとも、隠にいていい人じゃない。

そこから先、なにも言えずにいると


彼女の声が明るくなった。



『でももういいんです！！

隠になった今、新たな目標ができたんで

それを達成できるように

私なりに頑張ってみるのですッ！！』



強い人だ。

そして呼吸も使える

羨ましいと思ってしまった。

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