無双の刃【鬼滅の刃】

一一振り ページ12

【鋼の挑戦状】

ある時、Aは思い付いた。



(決めました！

隠に異動するのですッ！！

ですがその前に…)



自身の相方である烏の力を借りて

刀鍛冶の里へやってきた。



『ごめんくださーいッ！！

鋼の瓢箪ありますかー！？

あったら分けてほしいのですーッ！！』



鬼殺隊では呼吸の訓練をする際

瓢箪を扱うことがあるが

ここ、刀鍛冶の里では

ある職人が面白がって

鋼玉で作った瓢箪があるらしいのだ。

つまり

Aの今回の目的は

その噂の瓢箪を呼吸で割ってみたいという

好奇心があった。





(見た目は)幼女の声にいち早く反応し

里長 鉄地河原鉄珍が現れた。



「お嬢ちゃんどしたん？

おっきな声張り上げて」


『突然押し掛けて申し訳ないのですッ！！

こちらに鋼の瓢箪があるという

噂を聞きまして

是非とも譲っていただきたいのです！！』


「ほうほう、噂を聞き付けて

遥々駆けつけてくれたんやな

確かにその瓢箪はあるで

うちの蛍が小さかったとき

面白半分で作ったゆうてたものやな

たしか今は花瓶として使われてたはずや」


「では！？」


「うん


かわいいお嬢ちゃんからの頼み


ワシが叶えたるわ！！」



外ではなんやから、家に来なはれ。

鉄地河原に招かれ

客間で待っているAのもとに

お目当ての瓢箪を携え

鉄地河原が戻ってきた。



「お望みのモン持ってきてあげたで〜」


『わあ！ありがとうございますなのです！！

あのッ、早速外で

使わしてもらってもいいですか！？』


「うん、いいよいいよ〜」



瓢箪ひとつであんなに喜んでくれとる

Aの喜びように

ご満悦になる鉄地河原だが…



ブゥォォォォォォッ！！！！


ﾒﾘﾒﾘﾒﾘｯ…


ボゴォンッ！！！！



「……









ん？？？」








縁側に出るなりAが

瓢箪に一息吹けばたちまちヒビが入り

聞いたこともない破裂音と共に四散した。

何度もいうがその瓢箪は鋼で出来ている。

勢いよく飛び散った破片が

ひょっとこのお面を掠めたことに

気がついた鉄地河原は

そのまま眠るように気絶した。



『鉄地河原さぁぁん！？』



破裂音と悲鳴に

何事かと里の者たちが駆け付けてくる。

その後目を覚ました鉄地河原の取り成しで

今回起こったことは鬼殺隊本部には

知らせないようにと里の者に釘を指した。

感極まったAは

絶対に恩を返そうと心に誓ったのだった。

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