前世１３０ ページ37
お腹が膨れるほど皆はカレーを堪能し、今じゃリラックスモード全開
中には今日の疲れとお腹が膨れた影響もあり、ウトウトしだす人もいた
私達女子も食後に入浴を済ませ、私はというと今はバルコニーで夜風にあたっている
「ありがとな、うまい飯作ってくれて」
そんな中お礼を言ってきたのはここしばらく喋っていなかった倉間からだった
「ううん、私達の仕事はこれだし…」
「それでも、あんなに美味いもん作って貰えたら明日も頑張ろうって思えるぜ」
「!!」
まさかそんなに褒めてもらえるとは思ってなかったので、すごく嬉しい気分になった
特にそれ以降はお互い無口だったけど
(倉間、いつまでここにいるんだろ…?)
倉間は私の隣にずっといた
何かまだ用があるのかな?なんて考えたけど、思い当たるものが浮かばない
「じゃ、じゃぁ私そろそろ戻るね」
ちょっとだけその空間に耐えられず、私は足早にバルコニーを後にする
「あ…」
だから
「…っ」
後ろで何か言いたげな倉間に気づきもしなかった
*
もう就寝時間が過ぎたって言うのに、俺はなかなか寝付けずにいた
(くそ…)
一旦起きて、水でも飲みに行くか
隣で眠る剣城を起こさないように静かに起き上がって部屋を抜ける
俺が眠れない理由は２つ、前世の事と……Aの事だ。
(一番初めに気まずくさせたのは俺なのに)
未だに俺は飛行機での事を謝れないでいた
たった一言
"あんな酷い言い方をしてごめん"と、伝えるだけなのに
「よっと」
コップに注がれる水面に、俺の顏が映し出される
(ひっでぇ顏だな、ったく…)
あの時のバルコニーに行って、今日の夕食のお礼をした時みたいに謝れればよかったんだ
というか端からそうするつもりだった
お礼と一緒に謝罪をしようと思った
でも
―…言葉が出てこなかった
今更何て言って謝ればいいか、いざ言おうとすると言葉が喉に詰まって言えない
酷い事をAに言いすぎて、どの面さ下て言っていいのかわからなくなった。
前世の事でいっぱいいっぱいになって、解けない問題にイラつきAに当たって、関係ない人を傷つけて
「もう少し大人になりたい」
ふと漏れ出た言葉が、今の俺の気持ちだ
そんな言葉を吐きだした時
「…あの部屋って監督達の部屋じゃ?」
下の扉の隙間から僅かに光が漏れ出ている
(こんな時間まで一体監督達は何を…)
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倉狩莉緒菜(プロフ) - Vermutさん» コメありがとうございます!!コメがもらえてとてもうれしいです!!!更新頑張ります!!! (2018年3月13日 16時) (
レス) id: cee2073a15 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - すっごく面白いですね！！更新楽しみにしてます！！ (2018年3月11日 18時) (レス) id: d3f0b80636 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倉狩莉緒菜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/futere/
作成日時：2018年3月10日 1時
