前世１０５ ページ12
「まぁ落ち着けお前ら、取り合えず座るんだ」
鬼道コーチにそう言われ私たちはゆっくり席に座り直す
あの倉間も動揺しているようだし、狩屋だって自分の前髪をｸｼｬｯっと握って必死に落ち着こうとしていた
「…どうして巻き込まれてるって、音無さんは知ってたんですか」
「俺達も音無から"あの"話を聞くまで気づきも知りもしなかった、寧ろ綺麗さっぱり"忘れてた"」
「忘れてた…?」
「春奈が撃たれてから目を覚ました時、春奈は起きるなり俺の両肩を掴みこう言ってきた
≪お兄ちゃん私全部思い出した…っ≫
≪早く止めてあげなきゃ!このままじゃあの子たちが二の前になってしまうわ!!≫
ってな
ちなみに大人になった春奈は俺の事を"兄さん"と呼ぶが、あの時は"お兄ちゃん"っと、中学生の頃と同じ呼び方をしてきた。これは春奈の記憶がその頃を思い出していたからだろう
だが結果、それが何よりの証拠になる
円堂の言う様に俺達は忘れていた、そしてこの前やっとその時の記憶を取り戻した。
あの悲しい前世物語を、な」
「お前達の今の現状は放置して学校内で普通に暮らしていけるレベルじゃない、今は学校があるから問題が起こっても何とか学校内で処理し合えたかもしれない
お互いに会う事も簡単だし、不自然でもなんでもないからな
でも夏休みに入ればお互い気軽に会うことが出来なくなるだろ?
その状態は非常に危険だ
だから合宿先でひとまとまりになってもらった方がいいと、そう考えたんだ」
「その方が良くも悪くも、誰かしら動きやすくなるだろからな」
「じゃぁ円堂監督達は俺達の問題を考慮したうえで今回のこの合宿の企画を持ってきた、と?」
「あぁ」
(今の話からして、円堂監督達も前世の記憶を持ってたってことなんだよね?忘れてたって言うのが気になるけど……)
「あの、ちょっといいですか?」
「なんだ?」
「今はこうして普通に過ごせてるって事は、10年前の円堂監督たちは一体前世の問題をどう解決したんですか?」
「!」
「解決できてなかったら今こんな風に暮らせてないですよね…?」
「俺も気になりました。俺達は今お互いに手探り状態になっています、そんな中で一体どう解決したんでしょうか?」
「!!」
「…?」
(あれ?なんか聞いちゃいけなかった…?)
私と倉間の質問に、今度は鬼道コーチたちの方が驚いているようだった
*
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倉狩莉緒菜(プロフ) - Vermutさん» コメありがとうございます!!コメがもらえてとてもうれしいです!!!更新頑張ります!!! (2018年3月13日 16時) (
レス) id: cee2073a15 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - すっごく面白いですね！！更新楽しみにしてます！！ (2018年3月11日 18時) (レス) id: d3f0b80636 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倉狩莉緒菜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/futere/
作成日時：2018年3月10日 1時
