ダークネスチェリー (ページ9)

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「でも、康二の言う通り兄弟の可能性も捨てちゃダメじゃない？生き別れの兄弟的な感じかもよ？そうすれば、葬式に来ないのも納得じゃない？」

舘さんが言った。

もし生き別れの兄弟だとしても、葬式に来ないことなんてあるのか？

「確かに、めめに似てる人が兄弟の存在を知らずに生きているとしたら、その可能性もあるかもね？ただ芸能人にそっくりなんだ〜と思いながら生きてるだけかもだよね」

「あ、でも確かに、その人『よく俳優に似てるって言われます』みたいに言ってたわ」

「でもさ、それこそ康二くん、その人にもう一度会う意味なくない？だってめめのこと知らないんだから、会ってもなんにも分からないよ？」

可能性を捨てられない俺らと正論をかます最年少のラウール。

誰よりも現実を見ていて、誰よりも大人だ。

「まぁさ、康二の自由だから！康二が気が済むまでやったらいいよ！」

「さっくん…」

「それに、康二って俺らが何言っても、結局自分のやりたいことは突き通すし(笑)」

「…まぁ、僕も康二くんに後悔はして欲しくないから、止めはしないけど、でも……康二くんまでいなくなったら、嫌だからね」

ラウの言葉にハッとした。

そうか、ラウは俺と同じくらい蓮が死んだことを受け入れられてないんや。

ラウは俺らの中だと蓮と1番よく話していた。

あまりにも仲がいいから、俺はよく嫉妬していた。

でも、その度に蓮はすぐにその事に気づいて、2人きりになると無償の愛を俺に注いでくれた。

それは甘くて甘くて、砂糖がいっぱいで、胃もたれしそうだった。

あぁ…また、蓮のことを思い出して、目の中のダムが決壊しそうや。

「いなくならんよ、俺は、やから安心してな？」

「絶対？」

「おん、絶対！」

「じゃあ…そのめめに似てる人に会いに行っていいよ！」

俺はまるで3歳児をあやしてるような気分になった。

ラウの曇り顔なんてもう見たくないからな。

蓮に会いたくても、俺は自分から死を選択することは無い。

やから、今は蓮に似てる人を探してもええかな？

探すだけ…1年探して見つからんかったら、諦める…

会って何話すとかはまだ決めてへんけど、最初に会った頃の違和感がつっかかって取れへんから、その違和感を無くしたい。

ただそれだけやから…

そしたら、俺は前を向くから、1年だけ。

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更新頻度が遅くてすみませんm(_ _)m
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